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業界人の《ことば》から 第319回

パナソニック社長「あえて未完成品を世に出すべき」の真意は?

2018年11月27日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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くらしアップデート業こそが核心

 津賀社長は「パナソニックは、その時代に生きる人々にとって、いま求められていることはなんなのか、この先に必要とされることはなんなのかを徹底的に考え、人々のくらしをほんの少しでも良くしたいと心から願ってきた企業である。

 ものづくりをしたかったというより、人々のくらしを良くしたいという想いが先にあり、この想いを実現させるためにものづくりが必要だった。

 ただ、時代が変わり、家電だけでくらしを良くできることに限界が出てきた。一人ひとりが求めるものが多様化し、さらにそれを少しでも早く手に入れたいと思う人が増えてきた。そうした変化の激しい時代において、世の中で起きている大きな潮流を、私なりに考え、こう定義した。

 パナソニックという会社は、くらしアップデート業を営んでいる会社である。くらしアップデート業という営みこそが、パナソニックの核心に存在する、世の中へのお役立ちの本質なのだと確信している」と語り、

 「くらしアップデート業という存在意義をまっとうするために、 強い意志と信念を持って、これから先100年という未来に向けて、これまで以上に熱く、希望を持って、そして大いに楽しみながら、さらにはこれまで以上に国境の壁を遥かに超えていきながら、大胆に事業を展開していく」とした。

 では、「くらしアップデート」という言葉にはどんな意味が込められているのか。

 ここで言う「くらし」とは、 単なる家の中でのくらしを指している訳ではなく「人が過ごしているあらゆる時間」を指しているという。

 そして、「アップグレード」ではなく「アップデート」であるという点も強調してみせる。

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