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業界人の《ことば》から 第578回

大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは?

2024年02月19日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「2024年は、強い緊張感と勤勉さが必要なタフな1年になるだろう。なにがなんでも、通期での黒字回復を達成する」

(バルミューダの寺尾玄社長)

 バルミューダにとって、2023年は試練の1年となった。

 発表した2023年度通期(2023年1月~12月)業績は、売上高は前年比26.1%減の130億1100万円と、売上規模は4分の3にまで縮小。営業損益、経常損益は赤字。そして、最終損益もマイナス20億7100万円の赤字となった。

 バルミューダの寺尾玄社長は、「2023年度は非常に苦しい1年だった」と振り返る。

 苦しい1年だった要因は3つある。

 1つめは、コロナ禍における巣ごもり需要の反動だ。振り返ればコロナ禍での巣ごもり需要は、バルミューダが得意とする調理家電を中心に、白物家電市場全体に追い風が吹き、家庭内で過ごす時間を充実させるために、高級家電の売れ行きも好調だった。だが、2023年度はその特需の反動により白物家電市場全体が低迷。消費対象も旅行や外食などの外向け需要が増加したことも白物家電の売れ行きにはマイナス影響となった。

 2つめは円安である。バルミューダの事業構造は、すべての製品を海外で生産する一方、ビジネスの約7割は日本が占めている。つまり、1ドル150円台にまで急激に進展した円安は、手を打つ間を与えず、収益を圧迫することになった。さらに、部材価格の高騰や物流費の上昇といった要素が加わり、利益率の低下を生むことになった。

 実際、2023年度通期の売上総利益率は26.9%となっており、2020年度の43.3%からは大幅に悪化している。1ドル110円台半ばの為替レートをベースに、10年かけて構築してきたビジネスモデルの立て直しが迫られる1年となったというわけだ。

 そして3つめが、携帯端末事業からの撤退である。BALMUDA Phoneの投入によって注目を集めた同社だったが、2023年5月に同事業を終了すると発表。これに伴う特別損失を計上したことが、2023年度の大幅な赤字に影響している。

 バルミューダの寺尾社長は、「円安、コロナの影響、戦略の見直しによって、収支バランスが取れていない状況だった」と振り返る。こうした3つの要因が積み重なって、2020年に上場して以来、同社初の赤字決算となった。

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