業界人の《ことば》から 第374回
Google NEST担当の松岡陽子氏がCEOに
“分業バカ”から“ヨコパナ”へ、Panasonic βにかけたパナソニックの想いは?
2020年01月10日 09時00分更新
![](/img/2020/01/09/1675396/l/a9f312d4064971f0.jpg)
今回のことば
「パナソニックには、『分業バカ』が蔓延しており、それが変革の際の課題になっている」(パナソニックの津賀一宏社長)
「これしかできません」という分業バカ
パナソニックの津賀一宏社長は、社内に向けて「専門バカ」と「分業バカ」という言葉を使っているという。
専門バカというのは、専門以外のことは無能であるということを示す言葉であり、一般的にもよく使われる言葉だ。専門性の高さを示すためにいい意味で使われることもある。
一方で、分業バカという言葉は、あまり聞き慣れない言葉だ。
津賀社長によると「私はこの役割なので、これしかしません」というのが分業バカだという。
そして、この言葉は悪い意味で使っている。
津賀社長は「パナソニックには、分業バカが蔓延しており、それが変革の際の課題になっている」と指摘する。
補足する形で、パナソニック専務執行役員CTO兼CMOの宮部義幸氏は「分業バカが、大企業のイノベーションの阻害要因になっている」と語り、これからのパナソニックはそれを解決するための取り組みが重要であることを示す。
パナソニックの変革における課題の根元がここにあるというのが、同社トップの共通認識である。そして、日本の大企業に共通した課題であるとも指摘する。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 -
第595回
ビジネス
DX銘柄2024発表、進行する日本のDX、しかし米国よりもここが足りない!! -
第594回
ビジネス
自動車工業会は、今年もJapan Mobility Showを開催、前身は東京モーターショー -
第593回
ビジネス
赤字が続くJDI、頼みの綱は次世代有機EL「eLEAP」、ついに量産へ -
第592回
ビジネス
まずは現場を知ること、人事部門出身の社長が続くダイキン -
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? - この連載の一覧へ