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業界人の《ことば》から 第319回

パナソニック社長「あえて未完成品を世に出すべき」の真意は?

2018年11月27日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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今回のことば

「パナソニックは、もうブレない。『くらしアップデート業』という存在意義をまっとうするために、強い意志と信念を持って、これから先100年という未来に向けて、これまで以上に、熱く、希望を持って、大胆に事業を展開していく」(パナソニックの津賀一宏社長)

パナソニックは家電メーカーとはいえない

 パナソニックの津賀一宏社長は、2018年10月30日から東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催した、創業100周年記念の「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」の基調講演で、今後の目指す姿を「くらしアップデート業」と位置づけた。

 2018年1月、CES 2018で開催した日本人プレス向けの記者会見で、津賀社長は「パナソニックはなんの会社を目指すのか」との記者の質問に対して、「いま、それを自問自答しているところである」と回答した。

 1918年の創業以来、家電メーカーとして成長を遂げてきたパナソニックは、津賀社長の就任から半年を経た2013年1月のCESの基調講演において、車載関連や住宅関連事業によるBtoBシフトを鮮明に打ち出してみせた。

 実際、現在のパナソニックの売り上げ構成比をみると、家電事業を担当するアプライアンス社は全体の3割弱。7割以上が車載、住宅、BtoBソリューションといった、家電以外のビジネスを担当するカンパニーによる売り上げになっている。

 まさに、パナソニックは家電メーカーとはいえない事業構造になっていた。

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