サーバー向けはNVIDIAとほぼ肩を並べる
ゲーミングはNAVI世代に期待
最後にコンシューマー寄りの話をしよう。Windows10のDXR(DirectX Raytracing)への対応をWang氏に尋ねたところ、「まずはパフォーマンスアップが先だ。今はまだゲームのパフォーマンスは十分とは言えない。ローエンドのGPUでもゲームには十分なパフォーマンスが得られるという時代になれば、もちろん次はレイトレーシングということになるだろうが、それは今ではない」という返事であった。
AMDはプロ向けにはRadeon ProRanderというリアルタイムのレイトレーシングソリューションを提供しているが、これはOpenCLベースのもので、コンシューマー向けにはそのままでは使えないし、実際コンシューマー向けに提供の予定は今のところない、という返事であった。
実のところゲーミングGPUに関して言えば、Vega20はあまり大きなインパクトにはなりそうもない。技術的には、例えばVega20を2つ搭載したハイエンド向けビデオカードなどは「技術的には」可能だろうが、そうした製品の具体的なプランは今のところないようだ。
とはいえ、サーバー向けに関して言えばNVIDIAとほぼ肩を並べるところまで来たのは事実である。NVIDIAの次の製品は、Samsungの7nm EUVプロセスを待たなければならない。
その7nm EUVプロセスは先月リスクプロダクションに入ったが、ボリュームプロダクションに行くには、問題がなにもなかった場合でも半年程度はかかるし、そこからNVIDIAが試作→量産となると、2019年中にモノが出てくるか怪しいところである。
そのころにはAMDもN7+(7nmのEUVプロセス)を利用したNAVI世代の試作に入ってることで、以前よりはNVIDIAとの距離は縮まっていそうだ。ゲーミングGPUについても、今のところはNAVI世代に期待というところだろうか? とはいえ、それだと2019年中になにも製品が出てこないことになりかねないのだが、これに関してはAMDは黙して語らずの姿勢を崩さないのがやや残念である。
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