Radeon Instinctは
Tesla V100とほぼ同等の性能
ちなみに簡単な性能比較も示され、DGEMM、機械学習の推論、学習などで、NVIDIAのTesla V100とほぼ同等の性能を発揮することがアピールされた。以下もう少し細かく説明したい。
まずVega 20の構成であるが、基本的にはVega 10とまったく変わらない構成となる。NCUは64個で、1つのNCU内にSPを64個搭載するという構成も同じなので、SP数は4096個で横並びとなる。では何が変わったかというと、1つはFP64のサポートである。
前述の表にVEGA 10ベースのRadeon INSTINCT MI25の数字も入れてある(動作周波数、およびInt 8の性能は公式に発表されていないので、筆者の推定である)が、FP16/FP32に関してはMI25も含めておおむね動作周波数×SP数の比に近い性能が出ているのに、FP64ではMI25のみ落ち込んでいたのは、FP64のハードウェアがVega 10では実装されておらず、ソフトウェアで実施していたためである。
Vega 20ではこれがハードウェアで実装できるようになり、結果FP32のほぼ半分の性能が得られるようになった。実装としては、FP32の演算器2つでFP64を実行できるという効率を重視したものである。
なお、Tesla V100はFP32とFP64で別々の演算器を搭載するという実装になっており、どちらが良いというものではないにしても、Tesla V100のダイが巨大化した理由の一因はここにあると考えていい。
ちなみにサポートしたのはFP64のみならず、INT 4やINT 1もサポートしたという話であり、しかもMixed Precisionという、入出力は例えばINT 4やFP16で、途中の演算がINT 8とかFP32といった、複数の精度を組み合わせる処理にも対応するとしている。このあたりはそれぞれのSPの内部構造に変更が加えられたことになる。
逆に言うと、INT 8やFP32での演算性能改善に関しては、単に動作周波数の差以上のものはないというのがVega 20の特徴でもある。これはゲーミングGPUに転用するにはやや厳しいところではある。
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