前回に引き続き、AMDのNext Horizonで発表された内容について解説していこう。今回はGPU側である。しかし、その前に少し余談を。
Radeon RX 590を発表
GTCでの公言を果たす
AMDは11月16日にRadeon RX 590を発表した。さっそく加藤勝明氏のレポートが上がっているので、性能などはこちらをご覧いただくのが早いが、Radeon RX 580のPolarisコアをGlobalfoundriesの12LPで作り直したというものである。
これによってGPUコアは高速化されたものの、メモリークロックは8GHzに据え置きである。厳密に言えば、Ryzen 2と同じく、メモリーコントローラーのレイテンシーは多少削減されている可能性があるが、CPUと違ってGPUの方はレイテンシーよりもスループットの世界であり、多少レイテンシーを減らしたところでスループットが変わらなければ性能への寄与は薄い。
となると、相対的にメモリーがボトルネックになりやすくなる程度で、動作周波数を200MHz引き上げたと言っても、特にゲームなどにおけるフレームレートがそうそう大きく引き上がるわけではない。
とはいいつつも、これでMark Papermaster氏が昨年のGTC(Globalfoundries Technology Conference)で説明していた「クライアント向けGPU製品を12LPでリリースする」の公言が果たされたことになるわけで、この点では重要な製品と言える。
そして連載442回で説明した通り、やはりVegaについては12LPはスキップしてTSMCのN7に行ってしまったわけだ。
この連載の記事
-
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第791回
PC
妙に性能のバランスが悪いマイクロソフトのAI特化型チップMaia 100 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第790回
PC
AI推論用アクセラレーターを搭載するIBMのTelum II Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第789回
PC
切り捨てられた部門が再始動して作り上げたAmpereOne Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第788回
PC
Meteor Lakeを凌駕する性能のQualcomm「Oryon」 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第787回
PC
いまだに解決しないRaptor Lake故障問題の現状 インテル CPUロードマップ - この連載の一覧へ