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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第13回

iPhone XRを選ばせる価格設定ではないか:

アップル新iPhone衝撃価格のねらいは

2018年09月18日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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■iPhone XRを選ばせる

 iPhone 7は2016年発売で、A10 Fusionプロセッサを搭載しているモデルです。2年経過して200ドル価格が下がっており、2017年に発売されたiPhone 8が699ドルから100ドル落ちであることから、150ドルの開きがあります。ここに1つ目の線が引かれています。

 300ドル台のiPhone SEがラインアップから姿を消したことで、iPhoneの中で最も価格が安いモデルは100ドル値上げされたことになります。

 もちろん、インドをはじめとする新興国では100ドル台のスマートフォンが主力であることを考えると、iPhone 7でも超高級品の部類に入ります。この市場については過去のモデルも含めた再整備品などを活用しても、価格レンジが違いすぎて低迷から脱却できないでしょう。

 一方、巧妙な価格設定となったのがiPhone 8 PlusとiPhone XRです。ここには50ドルしか差がありません。

 米国で主流となりつつある「24分割の12回払い」。つまり1年使えば下取りに出し、翌年も新しいiPhoneが手に入れられる販売方式のことです。これで比較すると、iPhone 8 Plusは月々29ドル12セント、iPhone XRは37ドル41セント。

 たとえばサンフランシスコ周辺のレストランでランチを食べようとするとだいたい13ドルくらいになってしまうので、毎月の支払い額の差はランチ代より少ない程度です。

 iPhone Xと同様の全画面スタイルとTrueDepthカメラ、iPhone XSと同じA12 Bionicプロセッサを搭載しているとなると、よほどホームボタンが恋しくない限りはiPhone XRを選ぶことになるでしょう。

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