2019年1月には全機能が日本リージョンで利用可能に
Alibaba Cloudは“中国のクラウド”ではない、日本リージョンの全貌
2018年09月13日 13時00分更新
AWS(Amazon Web Services)を筆頭に、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)が不動のトップ3の地位を確立したかのように思われたパブリッククラウド市場で、今、第4のプレーヤー「Alibaba Cloud」が躍進している。米調査会社のガートナーが2018年8月23日に発表したIaaSの市場調査結果によれば、2017年のAlibaba CloudのグローバルシェアはAWS、Azureに次いで3位、売上高は前年比62.7%拡大し10億9100万ドルに達した。
Alibaba Cloudがサービスを開始したのは2009年。ジャック・マーが1999年に創業した中国アリババグループが、もともと同社のECプラットフォーム「Alibaba.com」「Taobao」「Tmall」を支える社内システム基盤として開発していたインフラ技術を、パブリッククラウドサービスとして外部向けに提供したのが始まりだ。当初は仮想サーバーとオブジェクトストレージのみのIaaSだったAlibaba Cloudは、提供開始から8年を経て、IaaS、PaaS、ビッグデータ、AI、IoT関連など200以上のサービスを提供するハイパースケールクラウドに成長した。ジャック・マー会長は2017年に、Alibaba Cloudの先端技術に今後3年で1.5兆円の研究開発投資をすると発表しており、サービスラインナップは拡充を続ける見込みだ。
Alibaba Cloudは“中国市場向けのクラウド”というイメージが強いが、他のメガクラウドベンダー同様にグローバル展開を進めており、2018年9月時点で、米国、ドイツ、UAE、アジア地域に合計18のリージョン(データセンター)を構えている。日本でも、アリババグループとソフトバンクの合弁会社SBクラウドが運営主体となり、2016年12月に日本リージョンでのサービスを開始した。
日本リージョンを含む中国国外のAlibaba Cloudは、シンガポールに本社を構えるAlibaba Cloud Internationalが事業主体となっており、中国当局の規制や強制力の影響を受けない。日本リージョンのデータは日本国内にとどまり、中国当局からの要請に応じてデータを開示しなければいけないといったことも起こらない。日本円の支払いに対応し、日本ではSBクラウドやパートナーによるサポートが提供されている。
日本企業がパブリッククラウドのビジネス利用を検討する上で、アリババグループの豊富な資金力が技術開発投資に注がれるAlibaba Cloudを知らないのはもったいない。日本で提供されているAlibaba Cloudのサービスについて、SBクラウド 技術部 部長の奥山朋氏に話を聞いた。
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