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Windows情報局ななふぉ出張所 第117回

要素技術を活かしたソフト開発を:

苦境のソニーXperia トレンドに追いつけるか

2018年08月14日 09時00分更新

文● 山口健太

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■「自社でSoCを持たない組」の生きる道とは

 いまのスマホ市場は、SoCを自社で持つサムスン、アップル、ファーウェイの上位3社と、それ以外のメーカーに分かれます。アップルはSoCからOSまで自社で握り、ユーザー体験を自由に設計できます。最近伸びているファーウェイも、自社SoCに人工知能用の演算装置を載せ、AI関連の機能を段階的に強化しています。

 これに対し、自社SoCを持たない組でも元気なのが、中国や東南アジアで大人気のOPPOとVivo。単に安い端末を売るだけでなく、セルフィーを中心にソフトウェアやブランドに大きく投資しているのが特徴です。

タイ・バンコクのOPPOの店舗。中国だけでなく東南アジアでも人気に。

Vivoは複数のショッピングモールで大がかりな販促をしていた。

 ではソニーモバイルはどうかというと、Xperiaのハードウェアは画面や生体認証、デザインのトレンドに乗り遅れつつあり、周回遅れ感が指摘されています。海外向けのミドルレンジ機は、時にはハイエンドより光るものがあるとはいえ、規模で勝る中国メーカーと同じ土俵で戦うのは避けたいところです。

XZ2 Premiumは最新スマホとしてはやはり厚い。(左はP20 Pro)

 そこでソニーモバイルが注力してきたのが、国内の8〜9割を占めるとされるキャリア市場です。Xperiaは夏商戦と冬商戦の両方に主役級のフラグシップ機を納入してきました。アイドルグループのセンターのような地位があってこそ、「だから私は、Xperia。」というCMコピーも成り立つわけです。

 日本のSIMフリー市場に参入しているメーカーの中にも、こうしたポジションを喉から手が出るほど羨ましがっているところはいくつもあります。

 しかし2018年は、キャリア市場にファーウェイが本格進出してきました。これにより、ソニーモバイルにとって盤石だったはずの日本市場での地位が脅かされている点が、これまでにないレベルの危機といえます。

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