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Windows情報局ななふぉ出張所 第117回

要素技術を活かしたソフト開発を:

苦境のソニーXperia トレンドに追いつけるか

2018年08月14日 09時00分更新

文● 山口健太

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■プロセッサーの力で、ユーザーが求める写真を作り出す

 最新モデルのXZ2 Premiumには、危機を乗り越える可能性を秘めたチップが載っています。独自の画像処理プロセッサー「AUBE」です。ソニーモバイルには自社SoCこそないものの、他社のハイエンド機も採用しているイメージセンサーや画像処理チップをグループ会社で作れるという強みがあります。

デュアルカメラの画像を合成する専用チップを搭載する。

 これらのハードウェアがあれば、今後のスマホカメラのトレンドにも十分に追従できるのではないかと思えてきます。プロセッサーの演算能力を活かし、ユーザーが求める写真を「作り出す」という方向性です。

 たとえばセルフィーの場合、OppoのF5は「本当の自分を撮ろう」(Capture the real you)とうたっています。本当の自分とは鏡に映るリアルな現実ではなく、誰もがうらやむ美しい肌をもち、SNSでたくさんの「いいね」をもらえるような自分のことです。

 風景写真では、ファーウェイのHUAWEI P20 Proが搭載した夜景モードは、シーンによって不自然に感じる場面もあるとはいえ、時には人間の肉眼を超え、ユーザーが求める写真を作り出してくれます。

Xperia XZ2 Premium。暗所での撮影に強いことが売りだが、シーンによってはうまくいかない。

iPhone X。常に80点以上の「使える」写真を撮れる安心感がある。

HUAWEI P20 Proの夜景モード。肉眼では見えにくい看板の文字もしっかり描き出した。

 ただ、どんなにすぐれた技術でもタイミングは重要です。今年2月のMobile World Congress 2018では、新製品としてXperia XZ2を発表した直後、4月に発表するXperia XZ2 Premiumのデュアルカメラをチラ見せして、Xperia XZ2に型落ちのような印象を与えてしまいました。Xperia XZ2 Premiumが国内で発売されたのは8月で、グローバルでは次世代モデルが気になる時期です。

 Xperiaにはイメージセンサーや画像処理チップなど今後の進化に必要な要素技術がそろっています。今後は要素技術を活かしたソフトウェアをのせた製品を、タイミングよく市場に出していけるかに期待したいところです。


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