アップルがiPhoneデザインを模倣されても黙っているワケ 新連載「アップル時評」の読み方
2018年06月29日 10時00分更新
ジョブズよりティム・クックのほうが何倍も恐ろしい
繰り返しになりますが、すべてにおいてアップルが優れていたり、正しいわけではありません。
例えば人工知能アシスタントで比べれば、グーグルは既に人の会話に自然に参加できる技術を持っていますし、アマゾンが数年かけて構築してきたサードパーティ連携を、アップルはやっとこの秋に始めようというところです。
しかし、アップルは他者の成功や失敗を見ながら、そのときに最も良い方法を選択します。前述のようなプロセスで、それが承認され、テクノロジーから縁遠い人々に届くものとなっていくのです。
だからアップルはますます注目しなければならない企業になったのです。
創業者のスティーブ・ジョブズ氏がこの世を去ってから「ジョブズのいないアップルなんて」と、驚きの少ない活動に残念さをにじませる人も少なくありません。しかし、意固地にならず、間違ったことをしないリーダーである現在のCEO、ティム・クック氏のほうが、ジョブズ時代よりも何倍も恐ろしい存在、と競合からは見えていることでしょう。
今日の我々の生活の一部を確実に変革し続けるアップルについて、少し変わった切り口から述べていこうと思います。引き続きのご愛読を、よろしくお願いいたします。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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