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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第537回

塀の上の猫は撮るアングルが悩ましい

2017年12月04日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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真正面から上目遣いでニラんでるハチワレ。キリッとした顔がなかなかたまらんのでした。望遠気味で正面から撮ると遠近感が薄れて迫力でマス(2016年11月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

真正面から上目遣いでニラんでるハチワレ。キリッとした顔がなかなかたまらんのでした。望遠気味で正面から撮ると遠近感が薄れて迫力でマス(2016年11月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

 さてさて、前々回は猫を上から撮る話、前回は屋根の猫を撮る話を書いたわけだが、悩ましいのが塀の上の猫である。

 塀の上って猫にとてもふさわしくて、狭いブロック塀の上で昼寝してたり、バランス良くさっそうと歩いて行くさまはとても猫くさくてよいのだが、そんな微妙な高さにいる猫を、上から撮るか下から撮るか正面から撮るか横から撮るか、ときどき悩むのである。

 冒頭写真は塀の猫を真正面から撮った写真。いい感じでカメラをニラんでくれたのでキリッとした写真になってくれた。

 ちなみに同じ猫を下から撮ったのがこちらだ。

少し近寄ってしゃがんで下から見上げるように撮ってみた。猫が「なにやってんだこいつ」という顔で見ておりますが、まあそれはそれということで(2016年11月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

少し近寄ってしゃがんで下から見上げるように撮ってみた。猫が「なにやってんだこいつ」という顔で見ておりますが、まあそれはそれということで(2016年11月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

 真正面から対峙した写真か、下から見上げていかにも塀の上っぽく撮った写真か。

 正しい答えなんてないので、さっさと次へ行こう。

 厳密にいえば塀ではないんだが、同じ猫を真横から撮るか真上から撮るか。そんなシチュエーションもたまにはあるのだ。

 まずは横から。寒い冬の日、かろうじて日が当たる凹みに2匹の猫が寄り添って丸くなって寝てたのである。いやあ冬らしいよい光景ですな。

いい感じの凹みを見つけた2匹の猫。ぴったりくっついて丸くなって陽光を浴びながら昼寝する冬の日。見るからに寒そう、というかこの日は日差しは強かったけど空気は冷たかったので日向で丸まるにはちょうどいい(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

いい感じの凹みを見つけた2匹の猫。ぴったりくっついて丸くなって陽光を浴びながら昼寝する冬の日。見るからに寒そう、というかこの日は日差しは強かったけど空気は冷たかったので日向で丸まるにはちょうどいい(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

 実はここ、この真上を道路が通っているのである。

 そちらへ回って真上から撮ったのがこちら。カメラのモニターを開き、ガードレールから腕を伸ばして、なんとか真上から撮ってみた。

同じ猫でも角度を変えると印象が全然違う。横から撮った方が冬っぽい(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

同じ猫でも角度を変えると印象が全然違う。横から撮った方が冬っぽい(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

 どっちも捨てがたい。上から見ると、アンモニャイトだかニャンモナイトだかが2つ並んでるのが面白いけど、横からの方が冬っぽさが出てるのだよなあ。

 さらに行こう。

 目の高さから撮るか下から撮るか。

 とある夕暮れ、ブロック塀の角のとこにふさふさの長毛サバトラがいたのだ。

 高い塀ではなかったのでファインダーを覗いてそのまま撮ったのがこちら。

ふさふさの猫が古い民家のちょっと朽ちかけたブロック塀の上にちょこんと座ってたので、思わず撮影(2017年5月 富士フイルム X-T2)

ふさふさの猫が古い民家のちょっと朽ちかけたブロック塀の上にちょこんと座ってたので、思わず撮影(2017年5月 富士フイルム X-T2)

 でもちょっと塀の上感が足りないかなと思い、横へ回って、少し低い位置から撮りなおしたのがこちら。

日が暮れて、たぶん向かいのマンションからの光が上がってるおかげで、よりキリっと見える長毛キジトラ(2017年5月 富士フイルム X-T2)

日が暮れて、たぶん向かいのマンションからの光が上がってるおかげで、よりキリっと見える長毛キジトラ(2017年5月 富士フイルム X-T2)

 ちょっと黄昏れ感も出てくれた。

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