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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第424回

業界に痕跡を残して消えたメーカー 最先端PDAに時代がついてこなかった不運のGeneral Magic

2017年09月11日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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現在では当たり前の技術だが
当時は時代を先取りしすぎていた

 このあたりでGeneral Magicという会社そのものの社会的使命はほとんど終わったようなものだが、それでももうしばらくはあがいていた。

 もともとの創業メンバーはこの頃には残っておらず、1997年2月からNovell出身のSteve Markman氏がCEOとなったが、Markman氏は商品化権のある企業に技術を提供する従来のビジネスから、自身で製品を提供するビジネスに転換。

 これに沿って1998年には自社ブランドでDataRover 840という製品を出している。さらには、もう一回り小型な端末の開発なども行なっていたが、どちらもあまりうまくいかなかった。

「DataRover 840」。左下にGeneral Magicのロゴがあるので自社製とわかる

 1998年にはマイクロソフトから600万ドルの投資を受けるとともに技術提携を結んでいるが、これは同社が開発していたSerengetiという音声認識サービスに向けたものである(これがどの程度Cortanaに反映されているのかは不明だ)。それにも関わらず、株価は1999年には1.38ドルまで落ち込んでいる。

 最終的にGeneral Magicは2002年に倒産。同社が保有していた技術のうち、特にMobile Agentに関するものはIntellectual Venturestというベンチャー企業が買収している。

 このIntellectual Venturesが保有するMobile Agentまわりの基本特許が極めて強力なため、他社はこの特許の有効期限が切れるまで商用のMobile Agentサービスを始められなかった、なんてオチまでついている。要するにGeneral Magicは、「なにもかも早すぎた」の一言に尽きると思う。

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