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アスキースマホ総研・白書 第46回

【2017夏】ニンテンドースイッチも対応 最新モバイルバッテリーの選び方 (1/5)

2017年07月26日 10時00分更新

文● 島徹 編集●ASCII編集部

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容量は大きいほどいい? 仕様の違いはどう見る?
モバイルバッテリー購入時のチェックポイント

 モバイルバッテリーは、どこでもスマホを充電できる便利なアイテム。外出先でSNSやネット動画、ゲームアプリなどをよく利用するユーザーにとっては必須だ。また、近年ではワイヤレスヘッドフォンといった周辺機器や「Nintendo Switch」などのゲーム機を充電するためにも必須のアイテムとなっている。今回の特集では、お得かつ便利なモバイルバッテリーの選び方とオススメ製品を紹介していく。

モバイルバッテリーがあれば、外出先でスマホがバッテリーが尽きそうになってもすぐに充電できる

モバイルバッテリーの選択基準は重量と容量

 モバイルバッテリー選びで重要なのは、持ち歩きやすさを左右する「重量」と、スマホを何回ぶん充電できるかが決まる「容量」だ。

 店頭に並ぶ製品を見てみると、パッケージには「5000mAh」や「10000mAh」といった容量が記載されている。もちろん容量は多いほうがいいのだが、容量が多いほど重量も増えていく。

 スマホを1~2回ぶんフル充電できる5000mAhクラスの製品は120g前後と軽量なため、持ち歩いても重量はほとんど気にならない。だが、スマホを2~4回ぶんフル充電できる10000mAhクラスの製品では重量は200g前後、20000mAhモデルだと400g前後になり、持ち歩きの際の負担になっていく。購入する際は、充電回数と重さのバランスを考えよう。

まずはパッケージの10000mAhなどと書かれた容量をチェック。毎日の利用なら5000mAh、出張や旅行などでは10000mAhクラスがオススメだ

画像左から5000mAh、10000mAh、20000mAhモデルのモバイルバッテリー。容量によってサイズや重量が異なる

 スマホの充電回数だが、実際にモバイルバッテリーからスマホに充電できる容量は、バッテリー容量のおよそ60~70%ぶんとなる。なぜ少なくなるのかというと、USB端子を経由してスマホを充電する際に電圧の変換などで電力を消費するからだ。

 容量5000mAhのモバイルバッテリーで、iPhone 7(1960mAh)を充電する場合の例では、モバイルバッテリーの実質容量を60%で計算すると3000mAhとなる。つまり、5000mAhのモバイルバッテリーは「iPhone 7を1.5~1.6回ぶんフル充電できる」という計算になる。

 実際には充電中にスマホを操作していることも多いため、実際の使用感としてはスマホ満充電が1回ぶんちょっととなる。

 下の表は、上記の計算をもとにしたモバイルバッテリーの容量とスマホのおおよその充電回数だ。毎日1日1回ぶんの充電でよければ軽い5000mAhクラス、旅行や出張で移動する場合は、少々重たくても10000mAh以上の製品が便利なことがわかる。

 もうひとつの重要なポイントが充電速度だ。スマホを素早く充電するには、モバイルバッテリーの仕様として「出力が5V/1.8A(9W)」以上あると安定して急速充電できる。また、モバイルバッテリー自体を素早く充電するには「入力が5V/1.8A(9W)」以上かを確認しよう。

 近年のモバイルバッテリーの多くは、出力が5V/2A(10W)以上、入力が5V/2A(10W)と両方とも余裕がある。また、ほとんどの製品が内蔵ICで自動的にiPhoneやiPad、Androidなどに最適な充電モードを判断して出力する機能も備えている。モバイルバッテリーでは定番メーカーのAnkerやcheeroなどの製品を選んでおけばおおむね問題ない。

パッケージの背面を見ると詳細な仕様が書かれていることが多い。出力と入力の数値は「5V/1.8A以上」がオススメだ

 ハイエンドAndroid端末など、クアルコムの「Quick Charge 3.0」または2.0の急速充電規格に対応したスマホを使っている場合は、Quick Charge 3.0対応のモバイルバッテリーも選択肢に入ってくる。Quick Charge対応機器を組み合わせると、特にスマホのバッテリー残量が少ない状態から70%あたりまで通常のモバイルバッテリーよりも高速に充電できる。

 Quick Charge 3.0規格での実際の充電電力はスマホによっても異なるが、最大9V/1.5A(13.5W)あたりの製品が多い。一般的なモバイルバッテリーの充電電力は最大5V/2A(10W)または最大5V/1.5A(7.5W)程度だ。

 ただし、Quick Charge 3.0対応のモバイルバッテリーは種類が少なく、やや高額な製品が多い。また、iPhoneはQuick Charge 3.0に対応しておらず、対応モバイルバッテリーを使っても充電速度は変わらないことに注意しよう。

 近年スマホへの採用が増えている両面挿しのUSB Type-C端子のスマホ。このスマホをモバイルバッテリーで充電する場合は、一般的なUSB Type-AからType-Cへの変換ケーブルを利用しよう。最近では100円ショップでも取り扱いがある店舗が増えてきた。USB Type-C端子かつQuick Charge 3.0対応のスマホでも同じケーブルを問題なく使える。

 なお、USB Type-Cは最大5V/3A(15W)の急速充電や、MacやPCで採用が増えている急速充電規格「USB PD」にも仕様上は対応できる。ただし、現在発売されているUSB Type-C搭載スマホの多くはこれらの充電規格に対応しておらず、急速充電についてはQuick Charge 3.0対応スマホがほとんどだ。

 グーグルはUSB Type-Cの5V/3AやUSB PDへの対応を推奨しており、クアルコムも最新規格の「Quick Charge 4」「Quick Charge 4+」でUSB PDとの互換性を持たせている。今後は徐々に対応スマホやモバイルバッテリーが出てくるはずだ。

USB Type-C搭載スマホはType-Cケーブルで充電する。ケーブルはローソンストア100やダイソーなど、100均ショップでも手に入りやすくなってきた

 では、この夏オススメのモバイルバッテリーを見ていこう。軽量な5000mAhクラスでは「Anker PowerCore Slim 5000」のような、スマホといっしょ重ね持ちしやすいスリムモデルが注目だ。

Anker PowerCore Slim 5000

 10000mAhクラスでは「cheero Power Plus 3 10050mAh」が軽量かつUSBポートが2つで使いやすい。このほか、Androidスマホで便利なQuick Charge 3.0対応の「Anker PowerCore Speed 10000 QC」もある。

cheero Power Plus 3 10050mAh

 大容量の20000mAhクラスでは、複数のスマホをまとめて充電できる「Anker PowerCore II 20000」がオススメ。災害時や登山などアウトドアで長時間移動する際に1台あると便利だ。

Anker PowerCore II 20000

 また、Nintendo Switchの「スプラトゥーン2」や「モンハンダブルクロス」など外で楽しめるタイトルの発売に合わせてか、スマホだけでなくNintendo Switchの充電に便利なサンコーの「置くだけモバイルバッテリー10000mAh」といった製品も登場。さっそく試してみた。

Nintendo Switch用置くだけモバイルバッテリー10000mAh

 次からページは、容量別のオススメモバイルバッテリーをレビュー形式で順に紹介していく。

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