クラウドファンディングの危うさを象徴するガジェット
こうしてみると本物とそっくりさんの機能的な違いは明確だが、フィジットキューブのような商品は、クラウドファンディングの危うさを象徴しているようだ。
製品に関するアイデアは豊富だが資金繰りの厳しい小さな企業は、その資金をバッカーに頼らざるを得ない。そのためには広範囲なウェブ上での企画や着想、サンプル製品の開示が資金集めの大前提となる。
そして、世界中に発信するそれらの情報が同時に、第三者によるコピー商品の早期出現を可能にするという皮肉な結果となっている。
今回の商品は、本物も2つのそっくりさんもすべて製造は中国だ。米国antsy labsが資金繰りの面でクラウドファンディングに頼って商品情報の開示を行ない、バッカーを得てやっと製造に取りかかった頃には、すでにクラウドファンディング上で開示された外観や一部の公開仕様を真似したそっくりさんが、10分の1近くの販売価格で先に市場に登場するという茶番劇になってしまった。
もはやネット上のSNSやクラウドファンディング系の仕組みの進歩に対し、過去のアナログ法律システムや懲罰システムや権利保護システムは永遠に追いつきそうにない。残念だが期待される法的手段による制限や管理は速攻には効きそうにはなさそうだ。
クラウドファンディングシステムを利用して資金繰りを考えるなら、ハードウェアだけではなく、ネットとの便利な連携機能で丸裸にならず、差別化を考えるか、一発勝負ではなく2番目、3番目の商品やシステム、サービスを事前に織り込んだ上で、商品がコピーされても、振り切って逃げられるだけの技術先行性と機敏性、継続性を持って戦うしかなさそうだ。
値段が10倍違っても、一般の人は3つの製品の違いを理解できない!?
フィジットキューブは昨今、もっともっと癒やされたくて、なぜか視聴覚系が弱くなってしまった限られたセグメント世代には超面白い商品として映るのかもしれない。
しかし、ごく普通の我が家の娘に本物と2つのそっくりさんの3つを、機能の説明と効果を説明後、どれが本物か選ばせてみた。予想に反して、彼女が選んだのは、そっくりさんのうちの1つだった。
最後に娘に3つの商品の購入価格を教えた所、本物の値段にはびっくり仰天、どのみちどれも買わない! というなかなかクールで普通な返事が返ってきた。
速攻で3つも買ってしまった筆者も、絶対に要らんという我が家の娘の両者とも、枠をはみ出ているのかは我々にはわからない。ただ、どこか面白い時代が来つつあることは確かなようだ。
今回の衝動買い
アイテム:
「フィジットキューブ」
価格(antsy labs製):アマゾンにて5180円で購入
価格(そっくりさん1):上野ヤマシロヤにて980円で購入
価格(そっくりさん2):秋葉原あきばお~にて648円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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