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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第489回

2016年の1~12月までを12匹の猫写真で振り返る

2016年12月23日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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7月、夏の岩の上にて

岩の上でぐたーっとバテてる猫の写真もいっぱいあったが、やはりここはひっくり返ってお腹を撫でられてる「私を好きにして猫」にまさるものはない。イマドキ珍しい人なつっこさでたまらんのである(2016年7月 パナソニック LUMIX DMC-CM1)

岩の上でぐたーっとバテてる猫の写真もいっぱいあったが、やはりここはひっくり返ってお腹を撫でられてる「私を好きにして猫」にまさるものはない。イマドキ珍しい人なつっこさでたまらんのである(2016年7月 パナソニック LUMIX DMC-CM1)

 7月は暑かった。今年は猛暑になるんじゃないかというくらい暑くて、猫たちももう「こんなに暑くちゃ動く気にもならねぇ。もう好きにしてくれ」というレベル。

 中でもこの猫は無防備猫として(私の中で)知られており、この日もすぐおなかを出していじられていたのであった。

 岩の上でゴロゴロしたら気持ちよさそうである。

8月、旧街道にて

おそらく近所で飼われているのだろう。きれいですらっとした猫。後ろにカーブしながら伸びていくのが旧街道。古い街には猫が似合うのだ(2016年8月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

おそらく近所で飼われているのだろう。きれいですらっとした猫。後ろにカーブしながら伸びていくのが旧街道。古い街には猫が似合うのだ(2016年8月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

 8月はなかなか晴れ間がなく、じっとりと湿気だけがたまるなんとも残念な夏であった。

 猫たちもしゃきっとせず、しまいには台風までくる始末。

 湿気が多くてじとっとしてると這いつくばる元気も出てこないが、こんないい位置にたたずむ猫を見たらそうもいかない。

 奥に向かって延びていく旧街道と猫の位置関係を見極め、ちょうどよい高さでシャッターを切るのである。

9月、日本家屋の軒下にて

首輪には小さな鈴とネームプレートが。昔ながらの放し飼い猫なのだろう。ちょっと外の空気を吸いながら休憩してたところを私に見つかってしまったのである。起こして申し訳ない(2016年9月 キヤノン Powershot G7 X MarkII)

首輪には小さな鈴とネームプレートが。昔ながらの放し飼い猫なのだろう。ちょっと外の空気を吸いながら休憩してたところを私に見つかってしまったのである。起こして申し訳ない(2016年9月 キヤノン Powershot G7 X MarkII)

 9月は8月からの流れで台風がくるわ晴れ間はないわで、作例泣かせといわれたのである。

 まあ、それで泣くのは新製品のデジカメで作例を撮らねばならない一部の人たちなのだが、そのせいか、この記事を書くために1年分の猫写真を撮影日カレンダーで整理してみたら、9月が一番少なかったのである。

 そんな中から、天候に左右されない日本家屋の軒下猫を。

 この猫、きれいなハチワレで、ほどよい庇を見つけてちょこんとくつろいでいたのであった。

10月、秋の日差しの下で

わざと露出オーバー目に撮って日差しを強調してみた。富士フイルムの「X-T2」に90mmF2という、猫を撮るのに向いた組み合わせで。後ろにもう1匹隠れております(2016年10月 富士フイルム X-T2)

わざと露出オーバー目に撮って日差しを強調してみた。富士フイルムの「X-T2」に90mmF2という、猫を撮るのに向いた組み合わせで。後ろにもう1匹隠れております(2016年10月 富士フイルム X-T2)

 10月は晴れ。ぽかぽかした日差しが復活し、猫たちも外に出て日向ぼっこをするのであった。

 この月は前月の反動で何度もカメラを持って出かけたのだが、その中から日差しを感じる猫写真を。

 やはり秋は猫を撮るのによいですなあ。おかげで散歩しながらいろんな猫に出会えて楽しい。

11月、狭い水路脇にて

狭い狭い水路脇でにらめっこする2匹。鉄道高架下のちょっとしたスペースに住んでいるらしい。耳がカットされているのでこのあたりの地域猫なのだろう。ちなみに、このあと喧嘩することもぶつかることもなく、平和に解決したようです(2016年11月 ソニー RX100M5)

狭い狭い水路脇でにらめっこする2匹。鉄道高架下のちょっとしたスペースに住んでいるらしい。耳がカットされているのでこのあたりの地域猫なのだろう。ちなみに、このあと喧嘩することもぶつかることもなく、平和に解決したようです(2016年11月 ソニー RX100M5)

 11月は行楽シーズン。多摩丘陵近くを友人らと地形散歩していたら、コンクリートで整形された水路の端っこで2匹がにらみ合ってるのである。

 手前には水、奥にはフェンス。どっちも道を譲る気はないらしい。

 面白いのでカメラを構えてじーっと顛末を見ていたら、友人らから置いてきぼりをくらったのであった。みんな、私は猫を見つけると動かなくなるってのを知ってるので放置されちゃうのである。

12月、道路脇の段差プレートにて

 12月の猫は前ページの冒頭写真。冬になると、猫は暖かい場所へと行きたくなる。この日、前夜がものすごく冷え込んだせいか、人通りなんて気にしちゃいられないという体で、光合成でもしてるかのように日向でゴロゴロしていたのであった。

 不意に近づいておどかしても悪いので、姿勢を低くして小さくなってそっと這いつくばって撮影。

 冬は日向でぬくぬくしてる猫を目撃する機会は増える。でも太陽の位置が低いので日陰が多く、日が短くてすぐ暮れてしまう。油断大敵である。

 では来年もまたよろしくお願いします。いろんなカメラで街の猫を撮り続ける所存であります。よいお年を!

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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