「スマホを自宅や外出時でも急速充電したい」そんな要望を満たしてくれるのが「Quick Charge」などの急速充電規格に対応したスマートフォンと充電器、ACアダプターだ。
2016年秋冬モデルでは、急速充電の最新規格「Quick Charge 3.0」と両面挿しのUSB端子「USB Type-C」を搭載したスマートフォンが登場。ハイエンドAndroidスマホの多くが対応している。まだまだ進化し続けるスマホ急速充電の最新情報をまとめた。
最新の急速充電規格「Quick Charge 3.0」とは
スマホを高速に充電するには、スマホに短時間で多くの電力を供給すればいい。だが、スマホのバッテリーに使われているリチウムイオンやリチウムポリマーは充電回路で供給する電力をうまくコントロールしないと、過充電などで焼損などの事故につながる可能性がゼロとは言い切れない。このため、スマホの急速充電を実現するにはスマホ側と充電器側の両方で安全な充電を実現するための仕組みや規格が必要となる。
「Quick Charge 3.0」は、スマホ向けSoC(CPUを含むスマホのプロセッサー)大手のクアルコムが策定した最新の充電規格だ。対応充電器と対応スマホを接続した場合、スマホのバッテリー残量が少ない状態から70~80%までは対応充電器から供給される多くの電力で急速充電し、80%あたりから満充電までの間はバッテリーに負荷をかけないよう少しずつ充電する。安全と高速を両立した充電規格だ。
充電器から供給出来る電力は、従来のスマホの充電規格「USB Battery Charging」の最大7.5W(5V/1.5A)や、クアルコムの「Quick Charge 1.0」の最大10W(5V/2A)よりも多く、Quick Charge 3.0なら最大18Wまたは今後USB Type-C端子を活用することによって最大24Wもの電力を利用できる。
「Xperia XZ」はQuick Charge 2.0と3.0であまり差が出ない
では、「Quick Charge 3.0」対応スマホはどの程度の速度で充電出来るのだろうか。秋冬の人気スマホ「Xperia XZ」を複数の充電方式で充電してみた。
- ■充電速度検証機材■
- 【Quick Charge 3.0】サンワサプライ「ACA-QC43CUBK」(Quick Charge 3.0ポート)
- 【Quick Charge 2.0】Anker「PowerPort+ 1 Quick Charge 2.0」
- 【USB Type-C】サンワサプライ「ACA-QC43CUBK」(USB Type-Cポート)
- 【USB】エレコム「MPA-ACUEN000BK」
「Xperia XZ」のバッテリー容量は2900mAhで、USB Type-C端子かつQuick Charge 3.0に対応している。
結果を見ると、Quick Charge 3.0とQuick Charge 2.0はともに70%までの充電速度はかなり高速だが、両方の充電方式に大きい違いは見られなかった。今のところ、市販のQuick Charge 3.0充電器とQuick Charge 2.0充電器は電力の出力はあまり違いがないことも影響しているものと思われる。
USB Type-Cの充電仕様は最大で15W(5V/3A)の出力にも対応しているが、「Xperia XZ」は7.5W(5V/1.5A)の標準電力でしか充電できなかった。後に紹介する「ZenFone 3 Deluxe」などは15W(5V/3A)でも充電できたので、これは「Xperia XZ」の仕様と考えて良いだろう。
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