主婦のお悩み解決部門も新設
'15年に開催されたHEMSアライアンスが主催する"快適IoT"コンテストが、今年も、作品を募集中だ。HEMSアライアンスとは、KDDI、シャープ、東京電力 、東芝、日本電気、パナソニック、日立製作所、三菱電機の8社(50音順)が参加する共同体制。HEMS(Home Energy Management System)とスマート家電についての環境整備をテーマに活動している。
こう書くといかにも仰々しいが、快適IoTでは、“QOL”(quality of life=快適で楽しい暮らしの実現)をテーマに、アプリや自作ハードウェアを使った作品を募集するものだ。つまり、"家"や“家族”など暮らしに関係するスマートフォンアプリや電子工作、ロボット、くわえてHEMSならではのスマートメーターに関連したソフトやハードならなんでも受け付けるコンテストだといえる。
今年は、よりテーマを明確にした作品応募ができるように部門や賞品がが次のように見直された。
■グランプリ 賞金30万円 + 副賞(モバイル型ロボット電話"RoBoHoN")
■準グランプリ 賞金20万円
■HEMSアライアンス特別賞(4作品) 賞金 各10万円
・生活を豊かにするデータ活用賞
・スマートメータ活用賞
・ロボホン賞
・スマホ活用賞
■自作ホームオートメーション賞 賞金10万円
■主婦のお悩み解決賞 賞金10万円
総額110万円の豪華な賞金も注目だが、なんといってもグランプリの副賞がロボホンなのが目を引く。ロボホンの楽しさについてはASCII.JPの記事でも、「池澤あやかの自由研究:ロボホンと1週間暮らしてみた!」や「子どもといっしょにロボット電話「ロボホン」と過ごしてみた」で紹介されている。ロボホンは、実物を見た人なら誰でも欲しくなる。それくらいカワイイし、人とコンピューターの関係の未来を考察したくなる物体でもある。
さて、話を賞に戻すと、「生活を豊かにするデータ活用賞」や「ロボホン賞」、「主婦のお悩み解決賞」などユニークな賞が用意されている。「生活を豊かにするデータ活用賞」は、スマートメーターをはじめとする機器などの記録だけでなく、Twitterをはじめとするソーシャルメディアのデータを活用連携した作品。「ロボホン賞」は、「ロボホン」のアプリで人と人や、家と「つなげる」作品。また、「主婦のお悩み解決賞」は、タイトルのとおり主婦の悩みをテーマとした作品だが、具体的な“悩み”の例が示されている。
「自分が起きるときに、他の家族の睡眠を妨げたくない」、「子供が楽しんでお手伝いをして達成感を得られたらいいのに……」、「トイレは唯一ゆっくりできる場所・時間。なにかよくなる?」、「認知症の高齢者にも優しく安全な家電(やアプリ)はないかな?」など、10の“悩み”があるが、もちろん、これ以外の主婦のお悩みでもかまわない。女性が困っていたら解決しなければ気が済まないやさしい男子には、お勧めの部門だろう。
'15年のグランプリは“お風呂”で遊ぶモノだった
さて、部門が具体的に示されたとはいえ、どんな作品を応募するのがよいか? 家を“楽しく”、“便利にする”とは具体的にどんなことなのかと思われる人もいるだろう。そこで、'15年の受賞作品をご紹介すると、グランプリは、京都産業大学コンピュータ理工学部の平#研究室による「TubCon: 浴槽UIシステムとアプリ実行プラットフォーム」という作品だった。
これは、浴室の天井にプロジェクターを設置、浴槽横壁をあけて中にタッチセンサーとピエゾセンサーを設置。入浴中に、浴槽のフチに映し出される映像にあわせて、手を近づけたり、タッチしたり、滑らせたりすることで、音楽やゲームを楽しもうというものだ。お風呂といえば、いままでも音楽を聞いたり、自分で歌ったりしていた人もいると思うが、エンタテインメント空間そのものに変えようという意欲的な試みといえる。
参考動画: TubCon: 浴槽UIシステムとアプリ実行プラットフォーム
これだけ完成度が高いと、個人で応募する人はハードルが高いと思われるかもしれない。しかし、募集内容は「アイデア勝負の電子工作、HEMSの規格を利用した本格的なホームオートメーションの提案、スマートフォンやタフブレット用アプリ(ハードウェアと連動しない単体、またはクラウドサービス等を利用したアプリ)、さらに今回はロボホン用アプリまで」と幅広いのでご心配なく。
なお、テーマが「家を楽しく、便利にする」ということで、すでに作品をお持ちの方もいると思う。その場合、応募規約では「オリジナル作品」に限定しているものの“改良”して新たなバージョンに進化していれば応募可能となっている。
また、HEMSならではの「スマートハウス」を実際に使った作品の応募を希望する人は、HEMSアライアンスが提供する「アイデアジェネレーター」を使用することでシミュレーションが可能だ。アイデアジェネレーターとそれを使った作品の例は、「IoTはアイデアを求めている。快適IoT開催」という昨年の告知記事が参考になるだろう。意外なほど簡単に作れる作品例が紹介されている。
また、電子工作系で応募したい人には、同じように「ラズパイ×カメラ×センサーで、超簡単にIoT作ってみた」が、具体的な作品例が紹介されているので、ぜひ参考にしてほしい。
やはり気になる「ロボホン部門」
グランプリの副賞が「ロボホン」の“快適IoT2016”だが、ロボホンをすでに持っている人には、ロボホン部門にチャレンジしてほしい。ロボホンアプリの開発はまだやっていないという人のために、近々、ロボホンアプリで快適IoTにチャレンジするための記事も準備中だ。
さて、コンテストの詳細は、「快適IoT 家を楽しく、便利にするアプリとハードのコンテスト」公式サイトにある。スマートフォンをきっかけにして、インターネットが身近になり、いまIT業界で最も注目される分野の1つが“IoT”だ。個人、グループ、学校や企業などの団体での応募も可能。この分野の未来を考えるという点でも意味があると思う。応募〆切は'16年10月31日(月)となっている。
【開催概要】
■「快適IoT2016 家を楽しく、便利にするアプリとハードウェアのコンテストⅡ」
■ テーマ: QOL(quality of life)=快適で楽しい暮らしの実現
■応募締め切り: 2016年10月31日(月)23時59分
■最終審査会/受賞発表と表彰式: 2016年12月13日予定
※予備審査を通過した作品制作者は最終審査会に出席し、制作者自ら作品のプレゼンテーションを行うこと。
■公式サイトはこちらから:
参考リンク: HEMS道場
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