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特別企画@プログラミング+ 第46回

Quoraムック発売記念連載 「コロナ後の世界をどう生きるか」第1回

価値のある仕事を価値があると伝えるスキルをQuoraで磨く

2020年06月01日 18時00分更新

文● Kenn Ejima

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Quoraのホーム画面。興味・関心のあるトピックが表示される。画像は寿司職人によるQ&Aが表示されている

 先週、待望のQuora公式ムック『Quora 世界最大級の知識共有プラットフォーム-ビジネスと人生の課題をすべて解決する-』(発行:角川アスキー総合研究所、発売:KADOKAWA)が出版されたことを記念して、6回にわたって連載をさせていただくことになりました。

 連載の大きなテーマとしては「コロナ後の世界をどう生きるか」というお題をいただいているのですが、まずはQuoraをご存じない方も多いと思うので、簡単なご紹介から始めさせてください。

 Quoraは主にQ&A形式の「問い」を軸とし、皆さんの頭の中に眠っていてインターネット上にまだ存在しない知見を引っ張り出す、世界最大級の知識共有プラットフォームです。

 創業者はFacebookの初代CTOとしても知られるアダム・ディアンジェロで、日本にはプライベートだけで10回以上来たことがあり、都内の移動はSuicaでスイスイと、アテンドもなく、都民でも迷うような待ち合わせ場所にも時間通りに現れるほどの日本通です。

 Q&Aサイトと聞くと、皆さんはおそらく「Yahoo!知恵袋」や「発言小町」のようなサイトをイメージすると思うのですが、Quoraは「知識」に特化している実名制サイトなので、人生相談のような個人的な悩みよりも、多くの人に役立つ知見を得ることに特化しています。そのため、質問は特定の人の所有物ではなく、コミュニティの共有財産となっていて、誰でも追加・編集できるWikipediaのように仕組みになっています。(詳しくはこちら→ https://qr.ae/pNye8Z
 

Quoraのユーザー登録方法。興味のある分野を選ぶと、AIが自動的にQ&Aを選定してダイジェストを届けてくれる(公式ムック『Quora 世界最大級の知識共有プラットフォーム』より)

フォロワー数がゼロの状態でもヒットを飛ばせる

 「どんな人に向いているか?」というと、ブログやnoteを何度か書こうと思ったけど続かなくて挫折した、という人にピッタリだと思います。

 多くの人は、まっさらな白紙のキャンバスを目の前にして「さぁ、自由に書きましょう!」と言われると、どこから手を付けて良いかわからなくなります。

 ところがQuoraには「質問」があり、それに答えている他の人の「回答」があるので、まるで自分自身の見解を「コメント」するような感覚から始めることができます。始めるきっかけとしての「お題」が目の前に差し出され、そして続けることの敷居が低いこと、それこそがQ&Aというフォーマットの醍醐味です。

 また、ブログを始めても、どうやって読者を増やすのかという問題があります。Twitterなどですでにフォロワーがいる人は別としても、専門的な内容であればあるほど、書いただけでは誰も読みに来てくれません。特にSEOが激戦区となった現代では、検索流入はかなり難しいものがあり、初期の読者をどう増やすのかというのは大きな課題です。

 その点、Quoraでは、「興味のあるトピック」を登録して回答を読むのを楽しみにしている「ROM専」のユーザーさんが、回答を書いている人たちの何百倍もいます。AIと人力の両方で「良いコンテンツ」を発掘して拡散するシステムなので、フォロワー数がゼロの状態でも、内容さえ良ければ、初めて書いた回答がいきなり大ヒットを飛ばす、ということも珍しくありません。
 

公式ムック『Quora 世界最大級の知識共有プラットフォーム』には、ビジネス、デザイン、テクノロジー、働き方など幅広い分野のQ&Aが厳選され、掲載されている(同書より)

Withコロナ時代で求められる、「文章を書く」スキル

 そして、ここからがコロナ後の世界をどう生きるか?という点につながってきます。

 このコロナ禍で、世界中のホワイトカラー従事者がリモートワークを避けられない状態にいきなり突入しました。同僚と軽口も叩けず、ランチにも行けず、Zoomで乾杯する。そんな限られたコンタクト・ポイントのなかで、メールやメッセージなどを通じた非同期コミュニケーションの重要性が高まったと感じた方は多いことでしょう。

 いまや「文章を書く」という行為は、単なる自己表現スキルではなく、ビジネスの中核に位置する存在になりつつあります。

 経営者ならビジョンやミッションの設定、マーケッターならコンシューマーの心に響くストーリー・テリング、デザイナーならコンセプトやコンテキストの言語化、研究者ならワクワクするような魅力的な未来像を伝える手段として。

 ビジネスというのは、つまるところ、仕事の価値を認めてもらい、対価をいただくということです。価値のある仕事を価値があると伝えるスキルは、そのど真ん中にあるのです。

 その表現のプラットフォームとして、動画ならユーチューブ、写真ならインスタグラム、文章ならばブログやメール、そしてQuoraが存在している、ということになるでしょう。

 Withコロナ時代となり、対面セールスでモノやサービスを売ることが難しくなりました。いまや世界中の事業者がデジタルトランスフォーメーションを急速に進め、インターネットという舞台の競争はますます激しくなります。これまでと同じことをやっていては、世の中の変化に取り残されます。その変化にキャッチアップし、追い越し、生き残るためには、何よりもまず「書きはじめること」が大切です。

 Quora、始めてみませんか。
 

Quoraユーザーによるコミュニティ「スペース」。新型コロナウイルス情報室のスペースでは、各国の感染状況や日常風景が共有されている

Kenn Ejima

ソフトウェアエンジニア。香川県生まれ。小学生時代よりBASICおよびアセンブラでパソコンゲームを開発。京都大学工学部卒業。シリコンバレーやニューヨークで起業したのち帰国。現在、Quoraエバンジェリストとして日本進出を担当。

Quora: Kenn Ejima / Twitter:@kenn / GitHub:@kenn

『Quora 世界最大級の知識共有プラットホーム-ビジネスと人生の課題をすべて解決する-』

24カ国、月間3億人が利用し、質の高い知識が集まるQuora。本書はその膨大な情報の中から、オバマ元大統領やポール・クルーグマン(ノーベル賞受賞エコノミスト)といった著名人のQ&A、若い創業者が起こす間違い、一流シェフと超一流シェフの違いなど、示唆に富むQ&Aを厳選してジャンル別に111本掲載。ビジネスと人生に役立つヒントがきっと見つかります。

・発行: 株式会社角川アスキー総合研究所
・発売: 株式会社KADOKAWA
・定価:1,650円(本体1,500円+税)
・発売日:2020年5月21日/電子版2020年5月28日
・判型:A4変形判
・商品形態:ムック/電子版
・総ページ数:144ページ
・ご購入はこちらまで

〈主な内容〉
・野口悠紀雄氏インタビュー「“いい質問”の重要性」 
・Quoraの高品質を支える4つの要素  
・アダム・ディアンジェロQuora CEOインタビュー「知の共有と、テクノロジーの進化」 
・「まつもとゆきひろさん、Quoraをどんなふうに使っていますか?」
・Quoraの教科書:ユーザー登録の方法、回答の評価、質問のフォロー、スペースの使い方、統計のチェックなど
・Quoraからピックアップ 111のQ&A:ビジネス/起業、デザイン、エンタメ/旅行、グローバル/日本、マーケティング、世界はどう変わるか、環境/科学、人間関係/人生、テクノロジー、経済/働き方、人材/教育

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