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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第128回

Swiftの思想がうまく回り始めた2016年の夏

2016年08月24日 19時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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Make SchoolもSwiftで「開発者」を育てる

 もう1つ、Swiftを活用した子供向けのプログラミング教育を紹介しましょう。サンフランシスコを中心にプログラミングスクールを展開するMake Schoolは、Z会と組んで、日本で初めてのサマーキャンプを東京で開催しました。

 このキャンプは、3週間にわたり、日曜から木曜まで毎日8時間のワークショップを開催し、SwiftベースのiPhoneアプリを作り上げるというもの。1週目はSwiftの基礎を学び、2週目はアルゴリズム、そして3週目で簡単なゲームアプリを仕上げてApp Storeに公開する、という目標です。

 Make Schoolで使っている教材はオンラインで参照可能で、講師、先輩や同じクラスの人に質問することができるコミュニティも備え、自分で学び、問題解決をする素養も養っていく仕組みが特徴です。

 Make Schoolの創業者であるJeremy Rossmann氏も東京を訪れました。Rossmann氏は自身が初めて作ったアプリをApp Storeに公開して「世界が変わった」経験を大切にしており、それを体験してもらうことで、開発者としての第一歩を踏み出してもらおうとしています。

実際にアプリを開発して、公開するまでが体験できる

 「ミッションは、App Storeにアプリを提出することです。シンプルなアイディアで、アプリを完成させることが大切です。そして、App Storeに出す瞬間、人生が変わります。人々は何を求めているのか、プロダクトとは何か。コードを書くことで、ユーザーと話す。そうした試行錯誤の経験に早くたどり着いてもらうことが重要です」(Rossmann氏)

 Appleの戦略、そしてプログラミングを教える側のニーズ。Swiftは、こうした現代のコンピュータにおけるニーズを上手く結びつけようとしています。2016年の夏は、Swiftの思想が上手く回り始める、そんな感触をつかむには十分でした。

サマーキャンプの内容について、一部間違いがありました。お詫びして修正いたします。(08/26 07:00)


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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