パイオニアブランドは8月8日、サラウンドレシーバーの新製品3機種を9月上旬に発売すると発表した。価格は以下の通り。
- SC-LX901 41万円(税抜)
- SC-LX801 35万円(税抜)
- SC-LX701 23万3000円(税抜)
昨年登場したSC-LX89/LX79の後継製品で、型番が3桁となった。最上位のSC-LX901は同ブランドとしては初めて11chのアンプを内蔵した。外部にアンプを追加することなく、7.2.4chのアトモス環境に対応できる。LX801とLX701は9chアンプを内蔵(プリアウトは11ch)。
3機種とも高精度な音場補正とフルバンドの位相調節に対応した“MCACC Pro”が利用できる。ドルビーアトモスやDTS:Xなど最新フォーマットに初めから対応するほか、天井に音を反射させるイネーブルスピーカーに向けて“リフレックス・オプティマイザー”と呼ばれる補正機能を持たせている。
DAC ICにはESSの9016Sを使用。ハイレゾ再生では11.2MHzのDSDにも対応した。PQFA(Precision Quartz for File Audio)というストリーミング/ファイル再生時にジッター成分を減らす仕組みを取り入れている。約2年かけて実現した仕組み。PQFAは内蔵する高精度のオーディオ用クロックを利用して、ネットワークモジュール、DSPなどを同期する仕組み。44.1kHz系と48kHz系の2系統を備えている。
いずれもD級アンプの“Direct Energy HDアンプ”を搭載。SC-LX901の11ch化に伴い、アンプ基板を一新しており、シンプルかつ最短経路での信号伝送という基本は守りつつ、回路パターン、レイアウトなど抜本的な見直しをした。内部のカスタムコンデンサーの数も6つから8つに増加している。プリアンプの部分は新設計しており、フロントパネルのデザイン変化は少ないものの、これまでの機種の中でも進化のステップ幅が最も広い製品になった集大成的な存在だという。
内蔵するアンプの数が増加した関係で、そのままでは基板の幅は増えるが、各デバイスの間隔を調整するなどして、10mm程度の増加にとどまっているとのこと。セパレート構成や高品位パーツの採用、漏えい磁束の低減を図ったカスタムの電源トランスなど従来機種のノウハウを継承し発展させている。
なお同社のプリ/パワーセパレート構成では、アンプ部分をシールドしているが、ポックスの幅がふえて、物理的に外しづらいなどの弊害が出ないようにするといった試行錯誤があったそうだ。インシュレーターは新形状で、内部のハリに平行面を作らず、定在波を制御できる構造にしたとのこと。
音質チューニングは引き続き、イギリスの“AIR Sturios”とコラボした。設計担当者が現地に赴き4日間缶詰で作業にあたったという。本体にはWi-FiやBluetoothを内蔵。Google Cast、radiko、TuneInといったネット配信サービスにも対応する。