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デジタル時代のアナログオーディオ入門 第3回

いい音のままの残す‼! アナログレコードをPCMレコーダーでハイレゾ録音!

2016年04月20日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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 アナログプレーヤーの基本的な使い方や、最新のアナログプレーヤーの注目モデルを紹介してきたこの特集。第3回はハイレゾでの録音について解説する。

 また、後半ではパナソニックの「テクニクス」ブランドのレコードプレーヤーである「SL-1200GAE」について、やや熱く語らせていただく。

レコードは摩耗するのでデジタル化しておくべし!

 アナログレコードの録音は、レコード全盛時代から誰もが行なっていた。30cmのレコード盤はポータブル性はないに等しいので、屋外で楽しむのが難しい。そこでカセットテープなどに録音して音楽を持ち歩くというわけだ。

 今のポータブルプレーヤーでの音楽再生の原型とも言えるもの。ちなみにこのスタイルの元祖となるのがソニーの「ウォークマン」だ。

 また、アナログレコード全盛時代には、レンタルレコード店がかなり一般的な存在でもあった。レコードをたくさん買えない学生などでもレンタルレコードを利用して、好きなレコードをたくさんテープに録音して楽しんでいたのだ。

 FM放送の録音(エアチェック)で、レコード化されていないコンサートやライブ音源をコレクションしている人も多かった。

 デジタル音源で音楽を手軽に持ち運べ、定額制音楽配信なども普及しはじめた現代では、これらの使い方はあまり意味がないが、それでもアナログレコードを録音したいという人は多い。

 なぜかと言えば、アナログレコードの再生はデジタル音源に比べると手間がかかるからだ。現代のようなジュークボックス的な再生は難しく、音楽をかけっぱなしにしておくような使い方をするにも、およそ20~30分で再生が終わってしまうので、A面からB面へディスクをひっくり返したり、別のディスクへ交換する必要がある。

 それ以上に、アナログレコードは再生するほど摩耗して劣化していく。アナログレコードの再生は音楽信号(空気の振動そのもの)が記録された盤面の溝を直接レコード針が接触することでその振動を読み取り、電気信号に変える仕組みだ。

 レコード盤の素材はビニールで、レコード針はダイヤモンド。針圧調整などをきちんと行なえば摩耗は最小限だが、何万回も再生するとどうしても摩耗してしまうし、音質的にも影響が出る。

 そのため、レコードの音をデジタル化して保存するのは現代でも有効。貴重な新品のアナログ盤などは、コンディションのいい状態でデジタル化しておけばより高音質のまま手軽に扱えるようになる。

 また、若い頃に買い集めた貴重なアナログ盤をコレクションしている人にとっては、それらを手軽に聴けるようにデジタル化したい人も多いだろう。

 前回紹介したレコードプレーヤーは、ほとんどがフォノイコライザーアンプを内蔵し、USB出力を備えたモデルだったが、これもデジタル化のニーズが多いため。それだけ、現在においても求められているのだ。

 フォノイコライザーアンプがあれば、録音が可能な機器(ICレコーダーなど)ですぐにデジタル化ができるし、USB出力があればPCを使って手軽にデジタル録音が可能。そのための録音ソフトも数多く発売されている。

 だが、その多くはCD品質、あるいはMP3形式などで録音されてしまうのが一般的。それなりのアナログプレーヤーで再生すればCD以上の再生周波数帯域を持っているアナログ盤の音をそのまま録音できないのはちょっと残念だ。

 ここはやはり、ハイレゾ品質でのデジタル化に挑戦したい。このためには、ハイレゾ録音に対応したPCMレコーダーが必要になるなど、多少ハードルが高くなるのだが、それを一気にお手軽なものにしてしまったモデルがある。ソニーのPS-HX500だ。

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