飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第24回
2つのユーザー会があわさるとなにかが生まれる
次は連携?SoftLayerとBluemixユーザー会の存在意義を語るの巻
2016年03月18日 07時00分更新
クラウド界隈の話題を関係者と語り尽くす飯田橋クラウドクラブ IBM SoftLayer/Bluemix編もいよいよ最終回。今回はユーザー会の実態や雰囲気について聞きつつ、PaaS元年に向けたBluemixへの期待を語ります。
今回の登場人物(敬称略)
NI+C常田:日本情報通信 ソリューションビジネス本部 常田秀明。クラウドエバンジェリストとし主にSoftLayer、Bluemixの普及活動をしながらコミュニティ活動に参加。
CTC原田:クラウド・セキュリティ事業推進本部 クラウドイノベーションセンター 原田一樹。AWS、Azure、Bluemixを熟知したクラウドアーキテクト兼スクラムマスター。Bluemix/Watson系アプリケーションコンテストを3連覇。Bluemix UserGroup「BMXUG」のコミュニティリーダーとして活動しているが、AWS/Azureを愛しすぎてBluemixに厳しい一面も。
ブイキューブ原田:ブイキューブ 技術本部 テクニカルオペレーショングループ 原田紘。ISP、ホスティング事業者などを経て、2012年11月に株式会社ブイキューブ入社。オンプレミス環境からSoftLayerをはじめとしたIaaSまで、悪戦苦闘しながらブイキューブサービスのインフラ業務全般に携わる。
日立横井:日立製作所 研究開発グループ テクノロジイノベーション統括本部 情報通信イノベーションセンタ 研究員 横井一仁。Bluemix上でWatsonが使えるように なったことを知り、昨年6月からBluemixを使い始めた。アイデアを素早く形にできるBluemixの開発手法を活用し、これまでに国内外の開発コン テストで受賞した経験を持つ。BMXUGの活動にも参加。知識と人脈が広がり、自分の成長に役立っている。
オークファン大平:オークファン 技術統括部 大平かづみ。クラウドをつなぐをテーマに、AWS/Azure/SoftLayer/Bluemixなど分け隔てなくクラウドに接する。女性へのアプローチを増やすべく、SoftLayer女子部運営に属しつつ、Bluemix 女子部を立ち上げる。
ASCII大谷:TECH.ASCII.jpの担当記者 大谷イビサ。連載のホスト・執筆者。お酒で舌をなめらかにして、SoftLayer/Bluemixの話を聞こうとしている。相変わらず写真が荒くてすいません。
年間230回だと……?PaaSなのにスーツ族の多いBluemixユーザー会
ASCII大谷:そもそもの話なんですが、SoftLayerとBluemixのユーザー会はまったく別物なんですか?
CTC原田:SoftLayerはインフラ、Bluemixは開発者と、ターゲットが違うので、別々です。
NI+C常田:今はバラバラです。もともとはIBMとしてはSoftLayerの方が早かったのでそちらが先にユーザー会が立ち上がり、その1年後くらいにBluemixユーザー会が立ち上がっています。でも私のように両方行き来している人もいますし、両ユーザー会で連携する動きもでてきました。昨年も2つのユーザー会共同でSummitを開催しました。
ASCII大谷:両者はサービスも別物なんですか?
NI+C常田:現時点ではサービスが相互接続されていないので、課金もアカウントも別々。2つの間に壁があって、ほぼ別物です。
CTC原田:一応、SoftLayer上にBluemixが載っているので、近くにサーバー立てれば速いだろうくらい(笑)。統合は大きな課題ですね。
ASCII大谷:ユーザー会はどんな活動が多いんですか?
NI+C常田:Bluemixはハンズオン系、SoftLayerはハウツー系。特にBluemixのハンズオンは、どんだけやってるんだというくらいすごいです。一時期は毎週やってましたよね。
CTC原田:数えてみたら、去年は230回やってました。Bluemixはサービスのラインナップが多くて、WatsonやIoT Foundation、DevOps、データベースなどなんでもあるので、エンジニアが混ざり合うので大変です。この中ではやっぱりWatsonとNode-REDが人気高いですね。
ASCII大谷:それぞれのユーザーグループにはどんな方が来ているんですか?
NI+C常田:SoftLayerはIBMパートナーさんやSIerさんが多いので、私服率は高くない。そもそもIBMなので、われわれのようなSIerが入っているお客様がほとんどで、自身で作っているエンドユーザーは少ない。逆にエンドユーザーの場合はすごいヘビーユーザーで、ベアメタルでGPUをぶん回しているようなコアな人が多いです。
CTC原田:Bluemixユーザー会の参加者は本当に雑多ですが、テーマによってもずいぶん違います。IoT系はコミュニティが乱立していて、ハードウェアやソフトウェア、フロントエンド、おうちハックとか、どれも人気です。
日立横井:私も、先日初めて会った人に、「ラズパイでなに作りました?」と聞かれました(笑)。
CTC原田:現状は、まずはどんなもんだか、探りに来ている感じですかね。全般的にはスーツ族が多いですが、開発者の集まりっぽくないので、スーツで来ないでくださいとお願いしました(笑)。
大平:PaaSなのにスーツが多い(笑)。私もJAWS-UGやJAZUGに比べても、スーツが多くてびっくりしました。でも、ユーザー的にこれからそっちの方向にしか増えないですしね。
ASCII大谷:地方展開とかはあるんですか?
CTC原田:Bluemixユーザー会は、設立してからまだ9ヶ月なのでこれからなんですけど、先日北陸支部ができあがりました。今、関西からも話が出ています。Node-REDはOSSなので、BMXUGとは別にNode-RED User Groupとして新設し、兄弟コミュニティとして連携しています。
NI+C常田:小規模ですが、SoftLayerユーザー会は札幌、仙台、新潟、名古屋、北陸、名古屋、大阪、福岡にあります。地方では人も集まりにくいので、今後はBluemixユーザー会と一緒にやっていくのがいいと思っています。
請求業務や法務もマルチクラウドもカバーする女子部
ASCII大谷:女子会の話も聞かせてください。せっかくなので、宣伝しましょうよ。
大平:私も最初はSoftLayerとBluemixの区別がつかなかったので、とりあえずSoftLayer使ってみたんですけど、やはりプログラマーなので今はBluemixメインでやっている感じです。なので、SoftLayer女子会は、Bluemixと合同でやってることもあります。
ASCII大谷:やっぱり女子のみなんですか?
大平:スピーカーしか男性は来ませんよ(笑)。とはいえ、SoftLayerを女子にアピールするのは本当に難しくて、そもそもIaaS使いの女子って限られている。AWSですらそんなに多くないので。ベアメタルを個人で使いたいって人は本当にレアです。
CTC原田:そんな人、男性でも少ないですよ(笑)。まあ、そこまで好きなら男性は自宅にサーバー買っちゃいますよね。
大平:そうですね(笑)。でも、Bluemixであればフロントエンド開発やデザイナーも使えます。
CTC原田:IoT女子も呼べますしね。
NI+C常田:女子部はコンテンツがいいですよねー。AzureStackとか、OpenStackとか、ごった煮っぽくて、聞きたいなと思いますよ。
大平:クラウドの請求業務や法令系、セキュリティ系に関心がある女子もけっこう多いですからね。逆に私も本家のSoftLayerユーザー会は出たことなくて……。けっこうエンジニアよりなので、真面目な感じですよね。
CTC原田:Bluemixユーザー会でも、「照明制御」とかやってるので、まあ真面目です。全然くだけた感じでもいいんですけどね。うちらも気づいたら9割男ですけど、好きで男子会やってるわけではないので(笑)。今度いっしょにやりましょう。
ASCII大谷:おっ。歴史が動いた!
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