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飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第23回

140種類以上のサービスがてんこ盛りでユーザーも大変

苦労はあるけど、新しいもの好きにはたまらないBluemixの巻

2016年03月17日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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前回からスタートしたIBM SoftLayerとBluemixの飯田橋クラウドクラブ。前回はユーザー会に参加した背景や、SoftLayer/Bluemixの魅力を語りましたが、今回は140種類以上にのぼるサービスのカオスや荒削りな仕様に翻弄されるユーザーの苦労話をお聞きします。

今回の登場人物(敬称略)

 

NI+C常田:日本情報通信 ソリューションビジネス本部 常田秀明。クラウドエバンジェリストとし主にSoftLayer、Bluemixの普及活動をしながらコミュニティ活動に参加。






 

CTC原田:伊藤忠テクノソリューションズ クラウド・セキュリティ事業推進本部 クラウドイノベーションセンター 原田一樹。AWS、Azure、Bluemixを熟知したクラウドアーキテクト兼スクラムマスター。Bluemix/Watson系アプリケーションコンテストを3連覇。Bluemix UserGroup「BMXUG」のコミュニティリーダーとして活動しているが、AWS/Azureを愛しすぎてBluemixに厳しい一面も。




 

ブイキューブ原田:ブイキューブ 技術本部 テクニカルオペレーショングループ 原田紘。ISP、ホスティング事業者などを経て、2012年11月に株式会社ブイキューブ入社。オンプレミス環境からSoftLayerをはじめとしたIaaSまで、悪戦苦闘しながらブイキューブサービスのインフラ業務全般に携わる。




 

日立横井:日立製作所 研究開発グループ テクノロジイノベーション統括本部 情報通信イノベーションセンタ 研究員 横井一仁。Bluemix上でWatsonが使えるように なったことを知り、昨年6月からBluemixを使い始めた。アイデアを素早く形にできるBluemixの開発手法を活用し、これまでに国内外の開発コン テストで受賞した経験を持つ。BMXUGの活動にも参加。知識と人脈が広がり、自分の成長に役立っている。




 

オークファン大平:オークファン 技術統括部 大平かづみ。クラウドをつなぐをテーマに、AWS/Azure/SoftLayer/Bluemixなど分け隔てなくクラウドに接する。女性へのアプローチを増やすべく、SoftLayer女子部運営に属しつつ、Bluemix 女子部を立ち上げる。




ASCII大谷:TECH.ASCII.jpの担当記者 大谷イビサ。連載のホスト・執筆者。お酒で舌をなめらかにして、SoftLayer/Bluemixの話を聞こうとしている。相変わらず写真が荒くてすいません。


140種類以上のサービスが林立するBluemixを探る

ASCII大谷:それにしてもSoftLayerとBluemixはサービスの数が多いですよね。正直、私もまったく追い切れていません。

NI+C常田:AWSはサービスが体系付けられていて、マニュアルとか、サービスの説明もうまい。一方、Bluemixは良いサービスがあるのに説明が下手で、イマイチなにがあるのかわからない(笑)。サービス本体も、補助的なサービスもデータベースもすべてがぐちゃぐちゃに混ざっているので、どれがどの機能を提供してくれるのか、さっぱりわからない状態。使ったら便利だろうなというサービスが放置されていて、「こんな便利なモノ、昨日提案しなかったな」みたいな(笑)。

日立横井:最初、Bluemix勉強会に参加した時、サービス140種類以上ありますと言われて、どれを使えばいいかわからなかったです。結局、6回くらい勉強会に参加して、徐々に自分の作りたいアプリケーションに使えるサービスを見つけました。

ASCII大谷:ポートフォリオが見えにくいと。

NI+C常田:AWSのサービスって単機能なものの集合じゃないですか。その点、Bluemixの場合、Bluemix自体のサービス、IBMのソフトウェアをSaaS化したサービス、ComposeやStrongLoop、AlchemyAPIのように買収してBluemixに組み込んだサービス、BoxやSendGridのようにサードパーティーでエントリポイントだけあるものなど大きく4種類くらいあるんです。

CTC原田:あと、Bluemixからワンクリックで買えるモノと買えないモノが混ざっているんですよね。連携しているモノはクレデンシャル情報が環境変数で共有されているので、開発は容易。でも、ソフトウェアをSaaS化して、Bluemixに組み込んでいるものとかは、製品単体で認証情報を持っているので、APIを書かなければならない。結局、常田さんが話していた4種類でアプリケーションの親和性が異なるんです。

ASCII大谷:同じような製品がSoftLayerと、Bluemixで重複していることもあるんですか?

NI+C常田:たとえば、WebSphereとかはフルスタックのミドルウェアなので、ユーザー管理もクラスタ環境のデプロイの仕組みも全部自前で持っている。だからSoftLayerで立ち上げると、フル機能なサーバーが立ち上がります。一方、BluemixにはWebSphereのランタイムだけを動かせるLibertyがあります。ところが要望が多かったのか、最近はBluemixにも「WebSphere」というサービスが出てきました。こんな感じで重複している所があります。

ASCII大谷:私もサービスの密度が濃くなると、「林が森になる」みたいな書き方しますが、そういう意味ではBluemixは最初から森というか、百貨店化しているんですね。

NI+C常田:そうです。IBM側としては、百貨店でいいと思っているようです。AWSの場合、RDBだったらこれとか、NoSQLだったら、これという感じで決まっているんですけど、Bluemixの場合、同じ種類のデータベースがいっぱいある。今までお客様が使っていたデータベースや言語をそのまま使ってもらえますというのを、あえて売りにしています。

ナカノヒト並(以上?)に詳しいNI+C常田の話に参加者も興味津々

ASCII大谷:確か提供形態もいろいろあるんですよね。

NI+C常田:Bluemixは「Local」とか、「Dedicated」という提供形態があります。Localというのは自社のデータセンターにBluemixを導入する形態なんです。さらにDedicatedはSoftLayer上に実装したBluemix環境を貸してくれるというサービスなので、どちらの場合もマネジメントをIBMに任せられます。

ASCII大谷:うぉーっ。ややこしい。課金体系的にはどうなんですか?

NI+C常田:Bluemix Dedicatedはリソースの上限が決まっている固定料金です。その中であれば自由に使えます。いまはWatsonとかIoT FoundationとかDevOpsも今のところないです。

オークファン大平:それはなんだかもったいないですね。

NI+C常田:SoftLayerでは、先日はコロケーションも始めたので、サーバーとか、アプライアンスをSoftLayerの横に置けます。

ブイキューブ原田:コロケーション!激しく時代に逆行しているけど、いいなあ。

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