3DMarkの結果を見ても、描画能力向上の傾向は明かで、「Ice Storm Extreme」、「Sky Diver」、「Fire Strike」と3種類のテストすべてで、Core i7-6700K、Core i5-6600KともにCore i7-4790Kのスコアーを大きく上回った。
ただ、Iris Pro Graphics 6200を内蔵するCore i7-5775Cとの比較では、さすがに大きく劣っている。それでも、第6世代Coreプロセッサーに統合されるHD Graphics 530の描画能力は、HD Graphics 4600とIris Pro Graphics 6200の中間に位置する程度で、従来からの大幅な描画能力向上を達成していると結論づけていいだろう。
次に、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の結果だ。こちらは、解像度1920×1080ドット・フルスクリーン、標準品質(デスクトップPC)の設定で、DirectX 9モードとDirectX 11モードで計測してみた。
結果は3DMarkの結果とほぼ同様で、Core i7-5775C>Core i7-6700K≒Core i5-6600K>Core i7-4790Kとなった。これなら、解像度を落とせば3Dゲームもまずまず快適にプレイできるはずで、HD Graphics 530の描画能力の高さを裏付ける結果だ。
次は、動画変換速度のチェックだ。今回は、クイック・シンク・ビデオの性能の変化もチェックするため、サイバーリンクの「MediaEspresso 7」を利用し、約5分12秒のフルHD MPEG2動画(映像ビットレート24Mbps)を、Apple汎用(1280×720ドット、H.264)動画に変換する時間を計測した。
結果を見ると、クイック・シンク・ビデオ利用時の変換時間が、Core i7-4790Kよりも20%ほど高速だった。
原稿執筆時は、H.265のハードウェアエンコードに対応するビデオドライバーがまだ一般に公開されていないため、今回はH.264での検証のみを行なったが、それでもこれだけの速度差が見られることから、クイック・シンク・ビデオも機能強化が実現されていると言える。
→次のページヘ続く (消費電力は大きく変わるのか?)
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