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医療現場ですでに活躍

ブラザー、東大との共同研究で開発したヘッドマウントディスプレー

2015年07月13日 21時16分更新

文● ナカムラ/ASCII.jp

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 ブラザーは、7月13日、ヘッドマウントディスプレー「AiRScouter(エアスカウター)」の新製品として、東京大学と共同研究をおこない見やすさと装着感を向上した業務モデル「WD-200A」と医療モデル「WD-250A」を発表した。

 価格は、業務モデルは25万円程度、医療モデルはOEMでの提供となるため単体の価格は公表していない。発売時期は、業務モデルが7月下旬、医療モデルが10月下旬を予定。

 ブラザーは、2005年よりヘッドマウントディスプレーの開発を開始し、2012年6月より業務用のヘッドマウントディスプレーとしてエアスカウターを販売している。

ヘッドマウントディスプレーとコントロールボックスで構成される。

 エアスカウターは、頭に装着して映像を表示する単眼ディスプレー。ヘッドマウントディスプレーとコントロールボックスで構成され、コントロールボックスにPCやタブレットを接続することで使用できる。画面を見ながら両手で作業ができる上に、表示した情報と実施やの情報をわずかな視線移動だけで見られるため、作業効率向上やミスの防止に役立つという。

「見やすい、使いやすい、つながりやすい」が特徴。

 接続は業務モデルはHDMI端子、医療モデルがHDMIとRCAを搭載。解像度は720p(1280×720ドット)、映し出す映像の奥行きを30cmから5mまで調整できる焦点距離調整機能を搭載する。ヘッドディスプレー部の重さは約145g。バッテリー駆動時間は業務モデルが約4時間、医療モデルが約2時間ん医療モデルには、映像の一部を拡大できる「任意拡大モード」が利用できる上、IEC-60601-1準拠のACアダプターを備える。

エアスカウターを使うことで、必要な情報を少し視線を移動することで見られる上に、両手を使って作業ができる。

 発表会では店舗用の冷蔵ショーケースを製造しているパナソニック群馬大泉工場の導入事例を紹介した。今までは、作業を忘れた場合はリーダーにもう一度確認したり、膨大なマニュアルをタブレットで見ながら作業していたが、エアスカウターを導入することで、必要な情報を少し視線を動かすことで受け取れるようになったという。

 そのほか、ドローンの操縦支援や、巡回警備、両手を使う作業現場など、様々な機器、システムと連携することで幅広いシーンで応用できるという。

医療モデルを血液透析に利用したところ、エコーガイドを用いて針を刺す場合に穿刺箇所とエコーの画面を同時に確認できるため、安全かつ確実に穿刺できるようになったという。

 医療モデルの導入事例として、東京大学との共同研究により、病院での血液透析にエアスカウターが使われている例を紹介。血液透析では、専用の血管に針を刺す必要があるが、穿刺が困難な患者に対して、エコーガイドを用いて穿刺することがある。その際、医療用モニターを見ながら穿刺点に針を刺さなければならず、慣れた医師にとっても困難だった。ここでもエアスカウターを導入することで、エコーガイドと穿刺点を同時に確認できるようになった。ミスが少なくなり、患者の負担も減らせたという。

 ブラザーは、エアスカウターを発売後3年で両モデル合わせて1万2000台を目標に販売する。今後はブラザー製品との連携も含めて、活用シーンを広げていくとしている。

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