日本生まれのディスプレー「蛍光表示管」技術を応用して大幅に省電力化
コルグ、「蛍光表示管」技術を応用し新真空管「Nutube」を開発
2015年01月28日 18時19分更新
コルグとノリタケカンパニーリミテドは1月22日、新真空管「Nutube」を共同開発したと発表。米アナハイムで行われた楽器ショーNAMM(1月22~25日)に展示した。
真空管はコルグのギターやアンプ、キーボードなどさまざまな製品に使われてきたが、すでに調達困難な状態になりつつあり。コルグでは自社で新たに作ることを検討、ノリタケカンパニーリミテドのグループ会社であるノリタケ伊勢電子の蛍光表示管の技術を応用して開発した。
蛍光表示管(VFD、DLディスプレー)はノリタケ伊勢電子の前身である伊勢電子工業によって発明された表示デバイスで、基本的に真空管と同じ構造を持ち、液晶よりも明るく高いコントラスト、広い視野角などの利点によって現在でも利用されている。
新たに開発されたNetubeは従来の真空管と同じくアノード・グリッド・フィラメントの構造を再現、完全に真空管として動作するほか、真空管特有の豊かな倍音を生み出すことできる。蛍光表示管の技術を活かし、従来の真空管よりも2%以下という低消費電力動作、30%以下という小型化、連続3万時間という長寿命を実現した。また、発熱が少なく信頼性も高いことから、ソケットなしで高密度基板へ直接マウントできるという。
現在、楽器用真空管「Netube 6P1」として商品化が進められており、コルグの楽器作りのノウハウを活かしてチューニングが進んでいる。製品は2015年中に発売される予定。
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