四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第127回
VOXの新エフェクター「ToneGarage」シリーズの開発チームに聞く
「本物の真空管の音が出る」小型エフェクターが完成したワケ
2013年08月31日 12時00分更新
VOX(ヴォックス)と言えば、もちろんイギリスを代表するギターアンプメーカー。特にビートルズやクイーンのブライアン・メイが使っている「AC30」は、三段積みのマーシャルやフェンダーのツインリバーブと並んで、ロックサウンドの歴史を背負ったギターアンプの定番と言える。
そのVOXが繰り出してきた新しいギター用エフェクターが「ToneGarage」シリーズ。シリーズの主役は真空管搭載の「歪み系」3機種。単3形乾電池6本で、200Vの高電圧で真空管を駆動する技術「Hi-Volt」を全面に押し出してきた。
当然ながら小型エフェクターで真空管をそれらしく扱うのは難しく、今まではFETやオペアンプのような素子を使って、真空管のような歪を目指してきた。しかしToneGarageシリーズは「のようなもの」ではなく、最初から「本物の真空管の音」なのだ。
このシリーズの回路や機構設計は、KORG本社のVOX開発チームが担当したという。真空管を高電圧で駆動すると聞けば、なんとなく景気のいい感じはするものの、どんなメリットがあるのだろう。まずそのあたりのお話から伺ってきた。

この連載の記事
- 第164回 より真空管らしい音になるーーNutubeの特性と開発者の制御に迫る
- 第163回 超小型ヘッドアンプ「MV50」のCLEANは21世紀の再発明だった
- 第162回 欲しい音を出すため――極小ヘッドアンプ「MV50」音色設定に見る秘密
- 第161回 最大出力50Wのヘッドアンプ「MV50」は自宅やバンドで使えるのか?
- 第160回 新型真空管「Nutube」搭載ヘッドアンプのサウンドはなにが違う?
- 第159回 開発で大喧嘩、新型真空管「Nutube」搭載超小型ヘッドアンプ「MV50」のこだわりを聞く
- 第158回 唯一無二の音、日本人製作家の最高ギターを販売店はどう見る?
- 第157回 「レッド・スペシャルにないものを」日本人製作家が作った最高のギター
- 第156回 QUEENブライアン・メイのギターを日本人製作家が作るまで
- 第155回 QUEENブライアン・メイのギターは常識破りの連続だった
- 第154回 てあしくちびるは日本の音楽シーンを打破する先端的ポップだ
- この連載の一覧へ