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スマホで始める「音楽アプリ部」 第64回

最大6個のエフェクターを同時使用できるのもポイント

音源とエフェクターがとにかく素晴らしいシンセアプリ「Z3TA+」

2014年12月07日 12時00分更新

文● 藤村亮

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エフェクターやアルペジエーターで変わった音づくりもOK

音色と音程の両面で揺れを作るMOD/ARP。作りこんだ音色をさらに生かせる部分です

 MOD/ARPではモジュレーションとアルペジエーターの設定をします。MODでは最大16のモジュレーショントリガーを使って、より複雑な音程変化やフィルタリングをセッティング可能。ARPは音程をオクターブで上下させるシンプルなアルペジエーターとしてはもちろん、「MIDI Arp」を読み込んでプリセットされたアルペジオパターンによる自動演奏もできます。MIDI Arpのバリエーションは250種類もプリセットされており、鍵盤をひとつ押さえるだけで超高速の速弾きやトリッキーなフレージングを楽しめます。

各エフェクターごとのコントロールは少なめながら、音作りに重要なポイントはきっちり押さえています

 EFFECTSでは6つのエフェクターのセッティングができます。エフェクターの配列をROUTINGで自由に変更可能。なので、セオリーから外れたエフェクターの配列をあえて選び、一風変わった音作りを試してみるのも面白いと思います。

初心者は音源の高さで楽しめ、上級者は作りこみできるアプリ

 基本的な知識がなくても完成度の高いプリセット音源とアルペジエーターを組み合わせることで、派手なリフやフレーズが簡単に再生できます。ですので、初心者の方でも楽しめるアプリだと思いました。

 ひとつ踏み込んで 音作りを開始するとコントロールできる項目が非常に多く、複数のOSCとEGを生かせば4音ポリフォニックのシンセとは思えないほどのレンジをカバーすることもできます。エフェクターのルーティングにまでこだわった、とことんディープな音作りが可能です。エフェクトの同時使用数が2~3個に限られているアプリが多い中、最大6個のエフェクターを同時使用できるのは個人的にうれしい部分でした。ギターの音作りのノウハウを シンセにフィードバックする際に、エフェクターは重要な位置を占めるので。

 難点としては、ツマミ類の詰め込みが過ぎる面もあり、またピンチ操作でのズーム機能などもないため、タッチ操作がメインのiPadではやりたいことがうまくできない、という部分。MODとARPそれぞれに専用画面があるくらいの方が、より扱いやすいだろうと思います。あまりにも操作可能な項目が多い分、音作りの過程でどこをどの程度までいじったかを忘れてしまうこともありそうなので、アンドゥ・リドゥのような機能もあれば便利かも。

 音源やエフェクターなどのマテリアルは文句のつけどころのないクオリティー。ですから、全体的なツマミの数など操作項目をすっきりさせたイージーモードのような設定や、もう少し快適な操作感があるとより楽しく音作りができるのではないかと思いました。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。

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