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最新ユーザー事例探求 第36回

オールフラッシュストレージ、採用の決め手は高いIOPSと重複排除性能

「初めは他社製品を……」So-netがPure Storageを選んだ理由

2014年10月22日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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データ圧縮率は8~10倍、本番環境で大きな効果を上げる

 こうして急遽抜擢されたPure Storageだが、東京エレクトロンデバイス(TED)が手がけた構築作業は2、3時間で済むなど、導入はスムーズだったという。ストレージといえば構築後のチューニング作業にも神経を使うものだが、特に難しいチューニングも必要なかったと勝見氏は振り返る。

Mobility Accelerationのシステム構成概要図

 「実際に運用してみると、想定していた収容ユーザー数に対してIOPSには大きな余裕があり、将来的にもボトルネックになることはないだろうと判断した」(勝見氏)

 さらに、Pure Storageの備えるインライン重複排除機能は、スループットに影響を感じさせることなく「8~10倍のデータ圧縮率」(勝見氏)を達成しているという。ディスクストレージ(非圧縮)と比べて、ラックスペースはおよそ4分の1に削減できた。

 「製品価格だけを見れば、最初に選択したハイブリッドストレージ製品のほうが安かった。だが、高いデータ圧縮率やIOPSを考えると、トータルのコストパフォーマンスはPure Storageのほうが高いと考えている」(勝見氏)

 数カ月間のテスト期間を経て、Mobility Accelerationは今年5月から正式サービスを開始した。サービス開始後もストレージのトラブルはなく、順調に稼働しているという。

 Mobility Accelerationでは30日間無料の「トライアルサービス」を提供しているが、同ソリューションのパフォーマンスについては、トライアルユーザーからも正式ユーザーからも好評を得ているそうだ。

 「ユーザーからは『想像以上に快適だ』という声が多い。もちろんDaaSのパフォーマンスは回線環境などにも左右されるが、少なくともストレージに起因するパフォーマンス劣化は起きていない」(原山氏)

適用サービスの拡大をにらみ、今後期待するのは「OpenStack対応」

 原山氏は、Mobility Accelerationでは今後、ユーザーがさらにシンプルにサービスを使えるよう、選択肢となるサービスメニューを拡張していく方針だと話した。ユーザー数の増加にあわせ、Pure Storageの容量も拡張していく。

 また勝見氏は、今回のPure Storage採用で十分なパフォーマンスが得られることがわかったため、ソネットが提供するほかのサービスにも適用を拡大していきたいと語った。「既存サービスのデータベース用ストレージとして使いたいと考えている」(勝見氏)。

 そのほか、ディザスタリカバリ(DR)対策のための遠隔レプリケーション、OpenStackとの連携によるプロビジョニング自動化などの構想もあるという。

 「将来的にPure StorageがOpenStackと連携すれば、仮想マシン作成時のプロビジョニング自動化や、APIを通じた社内管理ツールとの連携も行いたい。そうした機能強化や他製品との連携検証についてはまだ弱いと思うので、Pure Storageにはその部分の改善に期待している」(勝見氏)

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