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スマホで始める「音楽アプリ部」 第47回

シンセを作れるiPadアプリは仕組みがわからない人に使ってほしい

2014年06月01日 12時00分更新

文● 藤村亮

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 「音楽アプリ部」でたびたび取り上げてきたシンセサイザーアプリ。「KORG Gadget」(関連記事)のような本格的なものから、「AnaMini」のようなシンプルなものまで、実にたくさんのアプリがリリースされています。

 ただ、シンセアプリとうたいながらも、サンプリングされた音源をただ発音しているものが多いのも事実。そんな中、今回紹介する「Modal Pro」はシンセサイズ(=合成)を突き詰めて、自分だけのシンセサイザーを「作れる」アプリ。その実力を試してみました。

Modal Pro App
価格1000円 作者dango Inc.
バージョン1.0.2 ファイル容量16.0 MB
カテゴリーミュージック 評価(無し)
対応デバイスiPad 対応OSiOS 6.0以降

パーツを配置して出力までつなげるだけで音が鳴る

 アプリを立ち上げた初期画面は4段構成になっています。画面上部左にModal Proの使い方を教えるマニュアルウインドウ。画面上部右側にシンセサイザーのパーツを表示するスペース。画面中段には最大8パターンのフィルターセッティングを、シームレスに可変できるフィルターパッドウインドウ。画面下部にキーボードウインドウという配置です。各ウインドウはそれぞれの左隅にあるマークをタップすることで開閉が可能です。

左はすべてのウインドウが開いた状態。左はウインドウを閉じたもの。すべてのウインドウを閉じると画面のほぼ全体をパーツスペースとして扱えるので、音作りもしやすいです

 本のアイコンで開閉するマニュアルの内容がとてもわかりやすく、音作りの手順に関してとても丁寧に紹介されています。シンセサイザーの構造がまったくわからない初心者でも簡単に音作りに取り組むことができるでしょう。

 基本的な操作はパーツスペースにある6種類のジェネレーターを配置し、2種類の制御系パーツと組み合わせて、それぞれの信号を5種類の信号変形系のパーツに送って、最終的な出力へと接続する、という流れになります。

 上の写真のセッティングは簡単なサンプルセッティング。ノコギリ波のジェネレーターパーツを2つセットし、片方のジェネレーターで2オクターブ下の音色を発音させるように設定します。

 それらを信号変形パーツのクロスフェードでいったんまとめ、制御パーツのADSRと効果パーツの三重フィルターを通して、信号変形パーツのアンプへ送り、最終的な出力へと接続しています。2オクターブ下の音を足すバランスを少し変えるだけでも音の表情が変わり、厚みのある図太いシンセリードを楽しめるセッティングです。

各パーツの接続で音を作る、まさしくシンセサイザーの基本を視覚的に把握できます

 たとえばジェネレーターにサイン波、制御系にADSR、信号変更系にアンプを選択し、アンプの信号インプットにジェネレーター、レベルインプットにADSRを接続すると、いわゆる「SineSaw Lead」的なサウンドが作成できます。

 複数のジェネレーターの音をいったんミキサーで混ぜてから、アンプの信号インプットに送ることでより複雑なサウンドも生成できます。またフィルター、ディレイ、ローファイの3種類のエフェクターを足して、よりサウンドの味付けをすることも可能。

※ ADSRは音の発音から減衰までの変化幅を制御する部分で、「Attack=鍵盤を叩いたときの音の立ちあがり、Decay=音の減衰、Sustain=音の伸び、Release=鍵盤を離したときの音の切れ」の頭文字をとった表記です

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