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AMD、“Bald Eagle”こと組み込み向けAPU「AMD Rシリーズ」を発表

2014年05月20日 13時01分更新

文● ASCII.jp編集部 北村

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 AMDは、開発コードネーム“Bald Eagle”こと、第2世代「AMD 組み込み型 Rシリーズ・プロセッサー・ファミリー」5製品を発表した。

“Bald Eagle”こと、「AMD 組み込み型 Rシリーズ・プロセッサー・ファミリー」

Bald Eagleは100円玉より一回り大きい。500円玉に近いサイズといえる

 Bald Eagleは、デスクトップ向けのKaveriをベースとした組み込み向けAPUで、AMDなどが推進するHSAに準拠する。組み込み向けのGPUと組み合わせることで、家庭用ゲーム機やゲームセンター、およびパチンコ、パチスロ、デジタルサイネージでの活用が期待されている。

Bald Eagleは、カジノ、パチンコ、ゲームセンターなどでの利用を想定した組み込み向けのAPU。組み込み向けのGPU“Adelaar”と組み合わせることで、高いグラフィックス性能を発揮する

組み込み向けGPU“Adelaar”を搭載したMCU。Bald Eagleと組み合わせて使用する

Bald Eagleとの比較

 Bald Eagleの性能は、前世代のRシリーズと比べて66%向上、インテルのHaswellと比べても46%高性能だとしている。3D描画に関しても、前世代のRシリーズと比べて55%、Haswellと比べて44%高性能とのこと。

Embedded R-Series ラインナップ
  RX-427BB RX-425BB RX-225FB RX-427NB RX-219NB
CPUコア数 4 4 2 4 2
CPUコアクロック 2.7GHz 2.5GHz 2.2GHz 2.7GHz 2.2GHz
CPUブーストクロック 3.6GHz 3.4GHz 3.0GHz 3.6GHz 3.0GHz
GPU 8コア R7 6コア R6 3コア R4 非搭載 非搭載
GPUコアクロック 600MHz 576GHz 494GHz - -
GPUブーストクロック 686MHz 654MHz 533MHz - -
対応メモリー DDR3-2133 DDR3-1866 DDR3-1600 未定 DDR3-1600
TDP 35W 35W 35W 35W 17W

 ちなみにHSAとは、CPUとGPUなどの異なる種類のプロセッサーを効率良く利用するための仕様で、CPUとGPUでおなじ仮想アドレスを扱うことなどを可能にする。

 これまでのGPUは、シェーダーコードで、物理メモリーしか扱うことができなかったため、CPUがメモリーに書き込んだ仮想アドレスを解釈してデータにアクセスすることができなかった。CPUでは、複雑なデータ構造を表現するために、メモリーにアドレスを書き込んだ「ポインター」を利用することが多い。

HSAの構造。CPUとGPUが単一のメモリーアドレス空間を自由にアクセスできる技術「hUMA」(heterogeneous Uniform Memory Access)により、パラレル伝送のGPUとシリアル伝送のCPUを効率的につなげる

HSAにより、パケット処理を高速化したり、医療機器の小型化および高演算化、産業用機械の作業内容可視化などが可能になるという

 しかし、このポインターは、CPUが扱う仮想メモリーアドレスが書き込まれる。このため、物理メモリーアドレスしか扱えないGPUでは、これを処理できず、GPGPUでデータを受け渡す場合にCPU側がGPUにアクセス可能なようにデータを並べるなどしてポインターを使わない構造に変換する必要があった。

 これがオーバーヘッドとなり、GPGPUの速度的なボトルネックとなっていた。Bald Eagleは、HSA仕様に準拠し、GPUがCPUの扱う仮想メモリーを解釈できるようになった。実際には、GPU側にもCPUと同等の仮想、物理メモリーアドレス変換の機能が搭載される。

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