リピートや波形レベルでの編集などは画面下で調整
画面下部一番左の4分音符アイコンはリピート機能で、タップしているパッドの音を4分音符、8分音符、16分音符、16分3連、32分音符の分解能で自動的にリピートしてくれます。左から2番目はベロシティー設定で、各チャンネルの演奏の強弱を設定できます。
画面下部中央の△アイコンをタップすると、演奏データのコピーペーストやクリア、アンドゥ/リドゥなどの編集メニューが開きます。
その隣にある波形のようなアイコンはサンプルエディターで、使用中の音源サンプルを波形レベルで編集可能。ピッチ(音程)の高低や音量、定位(ステレオの中央、右寄り、左寄り、どのあたりで鳴らすか)の設定も簡単に調整できます。
画面下部メニューの一番右端にあるルーペアイコンをタップすると、音源の選択メニューが開きます。選択したチャンネルがPadsの場合、あらかじめサンプルが組み合わされた既存キットからの選択ができるKitと、400種類を超えるサンプルデータから単発の音色に差し替えられるSampleの2モードがあります。なお、Keysの場合はInstrとSampleの2モードです。
音のアイデアが浮かんだらメモとして使いたい
一通り触った感触としては、MASCHINEの実機特徴であるリアルタイムなパッド演奏を次々重ねて曲にしていくという部分を、うまく取り出せていると思いました。ステップレコーディング機能を持たないため、打ち込みデータの細かい作り込みにはあまり向きません。が、アイディアをストックするためのスケッチパッドとしてはシンプルで扱いやすいでしょう。
音源もプリセットは少なめながら、音質自体はとてもクリアでハイクオリティー。エフェクターは掛かりが良く、独立2系統でかけられるので、たとえばRecorderで自分の声を録音し、Lofiで潰した後にDelayをかけて効果音的に用いる、というような使い方ができます。
トラック自体は4トラックしかないので、ひとつのトラックで16音を鳴らせるリズムパッドの使い方が肝要。各パッドにアサインするサンプルを編集する、また波形レベルでの音色エディットを実用できると、さらに楽しみの幅が広がるアプリだと思います。
藤村 亮(ふじむら りょう)
1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。
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