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REDEFINEは成功したか?EMC WORLD 2014レポート 第5回

Data Lakeは保存ではなく、プロセス課金のモデルへ

とことんオープン!Cloud Foundry戦略をマリッツCEOが語る

2014年05月09日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Data Lakeはプロセスノードごとの課金へ

 クラウドOSの上位に位置するミドルウェア層が「Data Lake」になる。Data Lakeが目指すのは、すべてのデータの置き場所として機能するデータプールだ。しかも単に置き場所という役割だけではなく、その場で分析まで実現する。基幹系DBからバッチでデータをDWHに転送し、分析を行なうという現在のアプローチとは考え方が根本的に異なるわけだ。

共通のデータプールを、さまざまな用途で利用できる「Data Lake」のコンセプト

 PivotalはこのData Lakeを実現するために構築しているのが「Big Data Suite」だ。Big Data Suiteは、HadoopのファイルシステムであるHDFSをベースにしつつ、Greenplumの超並列DBとGemFireのインメモリDBの技術を組み合わせたデータストア。「将来のデータファブリックというのは、共通のストレージレイヤーを活用し、並列化の技術ではなく、いくつものマッチングモデルを使えるものだ。データファブリックが変われば、業界が変わるだろう」(マリッツ氏)とのことで、1つのデータストアをSQLやクエリ、トランザクション、コンプレックスイベントなどで並列的に利用できる。

 今回明らかにされたのは、課金モデルの変更だ。Data Lakeの概念は、とにかくすべてのデータを同じ場所に保存すること。しかし、保存に対して料金が発生すると、実際に利用価値があるかどうかわからないデータは、捨ててしまうことになる。これに対して、マリッツ氏は「これからは支払いをプロセスノードごとに変える。データをメモリに載せ、処理を開始したところから課金しようと考えている」と述べ、保存ではなく、分析に対してチャージするモデルに移行することを明言した。

 その後、マリッツ氏は、Data Lake上に載るアジャイル型の開発環境やEMC、VMwareとの連携について説明。実際のアプリケーションのデモを披露し、IoTなどを見据えた新世代アプリケーションの可能性をアピールした。既存のエンタープライズITベンダーとは異なる戦い方で、クラウドプレイヤーに勝とうというPivotalの方向性が鮮明に打ち出された講演だった。

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