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第3のプラットフォームを構築するPivotalのすべてがわかる!

君はPivotalを知っているか?まだならバーチャルイベントで!

2014年03月17日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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「第3のプラットフォーム」を提供すべく、EMC、VMware、そしてGEの出資によって設立されたPivotal。既存のITの枠にとどまらないPivotalが目指す高みとは? ビッグデータやIoT(Internet of Things)との関係は? GEのような企業がなぜ出資したのか? 「Pivotalバーチャルイベント」を見ればすべてがわかる。

「第3のプラットフォーム」は身近な課題から生まれる

 「なんだかわからないけど、すごいことをやっている」。Pivotalがやろうとしていることは、まさにそんな印象だ。

 VMwareの元CEOであるポール・マリッツ氏が率いるPivotalは、メインフレーム、クライアント/サーバーに続く「第3のプラットフォーム」を実現すべく設立された。グローバルでは2000名規模の従業員を抱え、クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルなど4大トレンドを前提とした次世代のアプリケーション開発環境「Pivotal One」を提供する。

EMC World 2013でPivotalについて講演するポール・マリッツCEO

 クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルなどのトレンドに対応するエンタープライズが超えなければならない障壁は、多くの企業にとって実は身近なものだ。特にビッグデータの実現においては、既存のプラットフォームでの限界が顕在化している。

 モバイルとビッグデータの技術が進化し、IoTによって未曾有のデータ量が現われると、既存のオンプレミスのシステムは、あっという間に限界を露呈する。億オーダーのエントリをスピーディに処理できるデータベースシステムを構築・運用するのは難しい。センサーの数やトラフィックにあわせて処理能力や格納量をスケールさせるのは難しい。サービスの規模や用途にあわせて、複数のクラウドをシームレスに利用するのも難しい。

 こうした課題に対し、GoogleやAmazon、Facebookなどのような“Webジャイアンツ”の場合、サービス事業から得られた莫大な資金、膨大なコンピューティングリソース、そして優れたエンジニアなどをつぎ込めるが、エンタープライズには限界がある。誤解を恐れずにPivotalの目指すものは、こうした障壁に立ち向かうエンタープライズのITを、Webジャイアンツと同じレベルにまで引き上げることだと言える。ビッグデータのスタンダードとなったHadoopをベースにしたEMCのソフトウェア資産、VMwareが抱える「Springフレームワーク」とその開発コミュニティ、そして特定のクラウドに依存しないPaaS基盤向けソフトウェア「Cloud Foundry」を統合し、汎用性の高いプラットフォームに仕上げた。

 さらにPivotalではアジャイル開発の専門チームである「Pivotal Labs」やデータサイエンティスト集団である「Pivotal Data Science Labs」を用意し、ビッグデータ実装を支援する。日本法人も昨年設立され、顧客のチャレンジが、絵に描いた餅にならない体制を拡充している。

必見講演を閲覧できるバーチャルイベント

 メインフレームやクライアント/サーバーをベースとしたレガシーのプラットフォームを次世代に引き上げようというPivotalの描く未来は、ある意味壮大だ。しかし、正直ピンと来ないというユーザーがいるのも理解できる。そんなユーザーにお勧めしたいのが、Pivotalジャパンバーチャルイベントだ。

豪華な講演をWebから視聴できる「Pivotalジャパンバーチャルイベント」

 Pivotalジャパンバーチャルイベントは、昨年の12月に行なわれた「Pivotalサミット」と「データサイエンスサミット」の講演動画で閲覧できるという非常に豪華なオンラインセミナーだ。

 Pivotalサミットは、Pivotalジャパンカントリマネージャの正井 拓己氏のオープニングからスタートし、Pivotalアジア・パシフィック・ジャパン チーフ・テクノロジー・オフィサーのスティーブ・イリングワース(Steve Ilingworth)氏による「Pivotalの展望と戦略」、Pivotalの出資元でもあるGEソフトウェア チーフ・マーケティング・オフィサーのジョン・マギー(John Magee)氏が語る「GEにおける「インダストリアル・インターネット」戦略」などが続く。

 12月のサミットに参加した担当は、「Pivotalの展望と戦略」について講演レポートを書いたが、過去の自身の経験を照らし合わせ、コンピューター時代の変遷、そしてPivotalの存在意義を説明したイリングワース氏のパワフルなセッションは一見に値する。また、マジー氏の講演はGEのようなグローバル企業がなぜPivotalに投資するのか、ビッグデータとIoTの観点で解説する。ビッグデータに関心を持つ事業部の担当やインダストリアル・インターネットやIoTについて関心のある人は必見だ。

 一方のデータサイエンスサミットは2012年に行なわれた「データサイエンティスト・ワークショップ」の内容をよりパワフルにしたもの。M2M(Machine to Machine)などアナリティクス分野での国内外の最新事例、日本におけるデータサイエンティスト育成に向けた産学官連携の取り組みなど最先端のセッションが用意されている。

 こちらの注目はやはり事例であろう。ドコモ・インサイトマーケティングの「ドコモの「モバイル空間統計」~「モバイル空間統計」がもたらす新しい価値~」であろう。ケータイやスマホを使った新しいエリア統計を実現する「モバイル空間統計」の概要はもちろん、活用事例やプライバシーに関する考え方など、興味深いトピックが取り上げられている。

 また、Pivotalアジア・パシフィック・ジャパン チーフ・データ・サイエンティストのグレッグ・オーエン(Greg Whalen)氏による「製造業におけるデータサイエンスによる最適化」も面白い。どこからビッグデータに手を付ければよいか?あるいは製造業でビッグデータが活用されているのはなぜか?などが大きなテーマ。データ分析のためのチームワークやCDO(Chief Data Officer)のような新しい概念も飛び出し、かなりユニークな内容になっている。こちらはPivotalサミットより専門的な内容になるので、データ解析に関わるユーザーはチェックした方がよいだろう。

 さらにテクニカルセッションではPivotalジャパンのメンバーによる製品やテクノロジーの説明が披露される。Pivotal HD/HAWQやGemFire製品などの解説のほか、デモンストレーションが行なわれる。こちらはビッグデータのテクノロジー部分に興味のあるエンジニアにオススメのコンテンツとなっている。

 当初は絵空事と語られたクラウドコンピューティングがいよいよ企業の基幹業務に入り込んだ昨今、まだまだバズワード扱いされることの多いビッグデータも遠からずビジネスに浸透していくことになるだろう。特に、日本の強みとされる製造業の分野では、IoTというキーワードも相まって、今年以降大きく盛り上がっていくはずだ。いち早くビッグデータプラットフォームの提供に乗り出したPivotalのコンセプトや動向について、バーチャルイベントできっちりチェックしておきたい。

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