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REDEFINEは成功したか?EMC WORLD 2014レポート第4回

Software-Defined Datacenterとハイブリッドクラウドの価値とは?

Hotel California型クラウドに疑問を投げかけるゲルシンガーCEO

2014年05月08日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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「EMC WORLD 2014」の2日目の基調講演には、VMware CEOのパット・ゲルシンガー氏が登壇した。ゲルシンガー氏は、VMwareが取り組む「Software Defined Data Center」の4つの要素を解説しつつ、ハイブリッドクラウドへの移行を強力にアピールした。

25年前のナンバー2を襲った地殻変動

 EMC WORLD 2014の2日目、「Data Lakes,The SDDC And Hybrid Cloud」という基調講演の前半で登壇したのは、インテル時代から5回目の登壇になるVMware CEOであるパット・ゲルシンガー氏だ。Pivotal CEOのポール・マリッツ氏とともに知名度の高い同氏の講演だけに、昨年のEMC WORLDと同じく、大きな注目を集めた。

2日目の基調講演に登壇したVMware CEO パット・ゲルシンガー氏

 ゲルシンガー氏が冒頭に概説したのが、現在IT業界を覆っている大きな地殻変動だ。ゲルシンガー氏は、25年前を振り返り、自身が経験したベイエリアの大地震の経験と共に、当時、IBMのメインフレームをリプレースする勢力として台頭してきたDECを紹介した。

 「1989年、DECは12万5000人の従業員を擁するナンバー2として君臨し、IBMに取って変わる勢力として、まさにピークにいた。そして、DECのケン・オールセンCEOは『PCはおもちゃ』だと言い切っていた」(ゲルシンガー氏)。しかし、その後PCのアーキテクチャーが台頭し、9年前にDECがPCメーカーのコンパックに買収されたのはご存じのとおりだ。歴史は繰り返すと言うが、ゲルシンガー氏は第3のプラットフォームが台頭する現在も同じレベルの地殻変動が起こっていると指摘する。

有名なDECの時計台を紹介するゲルシンガー氏DECのケンCEOは「PCはおもちゃ」と語っていた

Software-Defined DataCenterを構成する4つの領域

 こうした潮目にかかっているのが、ハードウェア主導からソフトウェア主導に移るデータセンターの世界だ。VMwareではSoftware-Defined DataCenterを標榜し、コンピュータ-、ストレージ、ネットワーク、マネジメントの4つの領域でさまざまな革新を進めてきたという。

Software-Defined DataCenterの4つの領域

 EMC WORLDということで、もっとも重要視されるストレージの分野では、EMCとの連携により、Software-Defined Storageのアーキテクチャを完結する。まずはコントロールプレーンとデータプレーンを分離。プール化することで、柔軟性のあるストレージ環境を実現する。また、VMwareやViPRによる仮想データサービスによって、データサービスを仮想ドメインに提供。さらにポリシーベースの管理により、異機種間での運用管理を自動化していく。これがSoftware-Defined Storageの目指す姿だ。

EMCとVMwareが描くSoftware-Defined Storage

 ストレージの仮想化に対して、VMwareが展開しているのが「VMware Virtual SAN(VSAN)」だ。VSANはx86サーバーのディスクを仮想化し、プール化する技術。「vCenterから2クリックでディスカバリし、ストレージをアロケートできる。ESXなので、パフォーマンスも高く、ポリシーベースの自動化が可能だ」(ゲルシンガー氏)。

 VSANは3月の発表以来、高い評価を受けており、VDIやテスト・開発、DR(Disaster Recovery)などの分野で事例が現れているという。また、ポリシーベースの管理をサードパーティにまで拡大するvVOLをvSphereに導入していくと説明した。ゲルシンガー氏は、「EMCとVMwareはSoftware-Defined Storageのビジョンを共有している。EMCは包括的なラインナップ、VMwareはシンプルなソリューションを提供する」と語る。

 同社の代名詞ともいえるコンピューターに関しては、現状70%まで仮想化を完了しているが、今後も100%の到達を目指す。そのための1つの取り組みが、vSphereによるSAP HANAの仮想化だ。「従来は物理環境しかなかったが、今後はHANAをvSphere上で展開できる。ミッションクリティカルな用途に向け、信頼性や可用性、セキュリティを確保できる」(ゲルシンガー氏)。仮想SAP HANAは最近エンタープライズにフォーカスしつつあるAWSへの対抗策といえる。

SAP HANA on VSphere 5.5

 その他、昨年8月に発表されたネットワークの仮想化技術「NSX」やモバイルクラウドを前提とした管理の分野も、導入実績を積み重ねていると説明した。

(次ページ、VMwareが推進するハイブリッドクラウドの世界とは?)


 

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