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REDEFINEは成功したか?EMC WORLD 2014レポート第1回

AWSやGoogleより安価なTCOを謳うViPRアプライアンスも

コモディティハードやOpenStack対応で裾野を拡げたViPR 2.0

2014年05月06日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月5日、米国のラスベガスで開催された「EMC WORLD 2014」の初日は、EMCのSoftware-Defined Storage戦略の要である「ViPR」の新バージョンやViPR搭載のクラウドアプライアンスなど、いくつかの新発表が行なわれた。

ますます多くのストレージをサポートした第2世代のViPR

 EMC WORLDは、1年に1度行なわれるEMC最大の総合イベントで、今年で14回目になる。「REDEFINE」をテーマにした今回は、EMCのエグゼクティブによる基調講演のほか、500におよぶブレイクセッションが行なわれる。今回のEMC WORLD 2014の一番の話題は、別稿で記載するフラッシュベンダーDSSDの買収ということになろうが、新製品の目玉は「ViPR 2.0」だろう。

米EMC インフォメーションインフラストラクチャー部門 CEO デビッド・ゴールデン氏の基調講演で披露されたViPR 2.0

 昨年のEMC Worldで発表されたViPRは、トラディショナル、スケールアウト、オブジェクトベース、汎用ストレージなどこれまで同社が展開してきたストレージ製品の上に“傘”をかぶせ、サービスとして抽象化してしまう。用途にあわせて展開されてきたストレージ製品を”無個性化”するという点で、ストレージベンダーとしては野心的な試みだが、Software-Defined Storageという戦略からすれば、正しい方向性といえる。

 ViPRはEMC製品含めたさまざまなストレージを統合管理できる「ViPR Controller」と、ViPRを介してストレージの各種機能を透過的に利用できる「ViPR Data Services」の2つで構成される。今回発表されたViPR 2.0では対応プラットフォームの拡大、パブリッククラウドとの連携、コスト削減などを目的に、大幅な機能強化が施された。

 ViPR Controllerでは、新たにコモディティハードウェアをサポートし、いわゆるメーカー製のディスクアレイ装置以外の利用も可能になった。また、従来のViPRがネイティブ対応していたEMCのVMAX、VNX、IsilonやNetApp FASに加え、ViPR 2.0では新たにEMC ScaleIOやVBlock、Hitachi HUS VM/VSPがサポート。OpenStackにも対応し、IBMやHP、デル、オラクルなど多種多様なストレージの管理が可能になった。さらにテストや開発用途でViRP Controllerが無料で公開されることもあわせて発表された。

ネイティブ対応のストレージにHDS製品を追加したほか、OpenStackにも対応

 ViPR Data Servicesにおいては、オブジェクトストレージ、HDFSに加え、ScaleIOによるブロックストレージの機能が追加された。昨年、買収したScaleIOはコモディティハードウェアを束ね、ソフトウェア的にブロックストレージ化するもの。また、地域的にまたがったレプリケーションや分散もサポートされ、よりグローバルに、より透過的にストレージを統合管理することが可能になった。

 ViPRは同じEMCグループのVMwareとともに、Software-Defined Storageのアーキテクチャを包括する。VMwareの「Virtual SAN」とともに、ViPR経由でコモディティハードウェアや各社のストレージアレイをSoftware-Definedなストレージとして扱える。今回のViPR 2.0の強化により、Software-Defined Storageの戦略はますます強化されることになる。

VMwareとともに包括的なSoftware-Defined Storage戦略を実現

すぐに使えるViPR搭載のアプライアンス

 新たにパッケージ型のクラウドストレージ「EMC Elastic Cloud Storage(ECS)アプライアンス」も発表された。ViPRとScaleIOを搭載したSoftware-Defined Storageのハードウェア実装製品といえる。

 ECSアプライアンスは、Amazon S3のようなクラウドストレージをプリメイドで提供する製品といえる。パブリッククラウドの使いやすさやコスト、迅速性、プライベートクラウドのようなセキュリティやコントロールを両立するクラウドストレージを実現。ViPRとScaleIOをベースにしているため、オブジェクト&HDFS、ブロックストレージのいずれの用途にも利用でき、両者を併用することも可能。容量や性能にあわせていくつかのモデルが用意される。

 ECSアプライアンスに関して、同社が「ストレージの経済構造を再定義するもの」とアピールするのは、TCOの低さだ。Amazon Web ServicesやGoogleのようなクラウドストレージに比べ、4年間のTCOを23~28%削減できるという。また、CPUの使用率を下げることができ、OracleとSAPを同じボックスで動かすことも可能になるとアピールされた。

TCOの観点で見ると、AWSやGoogleのクラウドより安価だという

 ASCII.jpでは引き続きEMC WORLD 2014のセッションや発表についてお伝えする。

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