CarPlayはどのように普及する?
クルマに搭載されているシステムは、エンジンの回転数や燃料噴射装置の制御などのためにリアルタイム性能が厳しく求められる世界だ。自動車としての性能はもちろん安全性にも大きく影響するため、深層部分にまでiOSが入り込む余地はない。その解として考えられたのが、車載インフォテイメントシステムの上層レイヤーでiOSデバイスが発する映像/音声ストリームを受信し、タッチパネル付きの表示装置に映し出すという仕組みなのだろう。
そのCarPlayが今後どのように普及するかだが、「AirPlay」に類似するのではないだろうか。Appleが自動車メーカーにライセンスし、それを「CarPlay対応車」として売り出すという流れだ。クルマの制御システムには関係しないから、オプションの形でも提供される。
ライセンス内容は不明で今後も公表はされないだろうが、AirPlayと同じだとすれば、特定のベンダーが供給するICを使わねばならないかもしれない。一時期AirPlay対応オーディオの価格が高止まりしていた理由はここにあるとされており、CarPlay対応車(CarPlay対応ユニット)もそれなりのコストが発生すると考えられる。
普及にあたり課題があるとすれば、「サードパーティー製アプリをどう扱うか」だろう。CarPlayが実行できるサードパーティー製アプリは、SpotifyやiHeartRadioなど特定のものに限られ、iOSデバイスにインストールされたすべてのアプリを実行できるわけではない。音楽ストリーミングや交通情報、観光地情報など車載により大きな市場を見込めるアプリも多く、そこをAppleがどうコントロールしていくかが、これからの見物だ。
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