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Apple Geeks第181回

WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1)

2016年06月17日 18時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

 WWDC 2016が開幕した。クックCEOが登壇して始まる基調講演は、5年の時を経て様式美の領域に達しているが、年1回のイベントということもあり密度の濃さはさすがの一言。今年は新ハードの発表こそなかったものの、OSレベルでの進化は目を見張るものがある。本稿では同日一般公開された開発者向け資料をもとに、WWDC 2016にあわせて公開された新機能のうち当コラム的に興味深いトピックをいくつか取りあげてみよう。

一般公開された開発者向け資料をもとに、WWDC 2016にあわせて公開された新機能のうち当コラム的に興味深いトピックをいくつか取りあげてみよう

「SiriKit」が公開、その背後に見えるもの

 基調講演でもしっかり時間が割かれていたが、iOS 10で投入される「SiriKit」はやはり特筆せねばなるまい。登場当初から、サードパーティー向けにAPIを公開することが規定方針であるかのように語られてきたが、まさにその通りとなった。

 SiriKitを利用してできることには、音声/映像の呼び出し、メッセージング、Apple Payによる決済、写真の検索、乗車予約、運動管理という6項目が挙げられている。そのうちメッセージングについては「WeChat」というアプリでメッセージを送信するデモが、乗車予約についてはUberやLyftが引き合いに出されていたから、記憶の向きも多いはず。これだけも、SiriKitで実現できることのイメージは掴めるはずだ。

WeChatを例に、Siriに音声入力で指示する方法を解説

 このSiriKit、システムとアプリの連携(インテント)により機能が成立する。Siriが命令を受け取ると、同じくiOS 10で投入されるIntentsフレームワークの働きにより、現在存在するアプリがどのようなサービスを提供できるかを調べ(アプリのプロパティリストなどに定義されている)、対応するアプリに処理を任せてシステムのビューに結果を表示する、という流れだ。

サードパーティーに開放された「SiriKit」。アプリとの連携には「インテント」と呼ばれる機構が活用される

 これだけでもいろいろできそうなことがわかるが、SiriKitの背後にひとつ大きなトレンドがあることを見逃してはならない。それは大まかにいえば、「アプリのエクステンション化」だ。SiriKitはアプリにエクステンションの形で実装されたプログラムを呼び出しているが、同様の処理がiOSの他の機能/インターフェイスにも多用されているのだ。ロック画面や通知センターにビューが現れ、アプリの機能をインタラクティブに利用できることは、エクステンション利用の好例だ。

ロック画面にビューを表示するアプリなど、エクステンション/インテントを活用したアプリが今後続々登場しそうだ

 基調講演のデモにも、その流れははっきり現れている。通知センターにインタラクティブなビューが表示されたり(Interactive Notifications)、HomeKitのデモでロック画面に監視カメラの映像が表示されたりといった処理は、サードパーティー製アプリのエクステンションとの連携により実現される。従来のアプリは単独動作に注意を払っておけばよかったが、これからはそうもいかない。特に検索・通知機能を備えるアプリは連携/インテントが前提であり、今後のアプリデザイン/機能実装の鍵となりそうだ。

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