
本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
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「iOS in the Car」改め「CarPlay」が登場
Appleが「CarPlay」を発表した(関連記事)。自動車メーカーからは早くも対応車種や実機のムービーが公開されているものの、Appleからはプレスリリースが出された程度に過ぎず、いまだ推測の域を出ない部分もある。現状を踏まえると、情報を整理することから始めてみるべきだろう。
CarPlayは、3月10日(米国時間)に配布が開始された「iOS 7.1」に含まれています。今回の記事は3月7日に執筆されたため、内容にずれが生じている可能性がある点をご了承ください。
まずはiOSデバイスから。判明している事実としては、iOS 7のアップデートとして提供されること、iPhone 5s/5c/5などLightningケーブル対応のiOSデバイスが必要なこと(つまり車載システムとはワイヤードで接続される)、そしてクルマのハンドル部分などに搭載されたボタンやSiriを通じて各種の指示を出せること。そしてこの技術が、従来「iOS in the Car」と呼ばれていたものであることだ。
具体的なアップデート提供開始時期は明らかにされていないが、CarPlay対応のクルマが2014年中に発売されること、そして6月のWWDCまでにはアップデータが配布される可能性が高い ―― iOS 8の話が中心になるのだろうからiOS 7のアップデータをぶつけてくるとは考えにくい ―― ことからすると、2014年前半、つまり3ヵ月以内には公開されるのかもしれない(編集部注:CarPlayは、3月10日(米国時間)に配布が開始された「iOS 7.1」に含まれている)。
その機能だが、電話をかけたり音楽を再生したり、メールを送信したりナビゲーションを呼び出したりと、現在Siriで実現しているものがひととおりサポートされる。新機能というよりは「新インターフェース」に近いかもしれない。道路交通情報通信システム(VICS)など、ここ日本にはiOSがサポートしない機能も少なくないが、車載インフォテイメントシステムの一部を担う存在となることは確かだろう。

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