2月24日、NECは東日本旅客鉄道(JR東日本)の東京駅において、SDN(Software-Defined Networking)を活用した「駅構内共通ネットワーク」を構築する。2014年3月の完成を予定。鉄道業界において、SDNを用いた最先端ネットワーク基盤の構築は、世界初の例となるという。
大規模なターミナル駅である東京駅の構内には、列車運行情報をはじめとした鉄道関連情報をはじめ、複数のシステムの膨大なデータがネットワーク上を行き交っている。しかし、従来はシステムごとに専用のネットワークを構築・運用していたため、導入まで時間を要することが課題となっていたという。そこでJR東日本では、システムごとのネットワークを共有化し、ニーズに応じたサービスを柔軟・迅速に提供可能とするインフラを用意する。
具体的には、OpenFlowに対応した「UNIVERGE PFシリーズ」を導入。ProgrammableFlow Controller(PFC)2台、ProgrammableFlow Switch(PFS)24台を中核に、「駅構内共通ネットワーク」を構成している。
SDNによりネットワークを仮想化することで、1つの物理ネットワーク上に、用途に応じた論理ネットワークを作ることが可能。これまで個々に構築していた列車運行などの情報を伝送するネットワーク、ホームや改札の状況の映像を伝送するネットワークなどを駅構内共通ネットワークに集約できるようになる。
さらに、ネットワーク全体を可視化して統合管理できるとともに、新サービスの実施や駅構内の改良工事のたびに行なっていたネットワークの構築や複雑な設定変更などを、物理的なネットワークに手を加えずに集中的に行なえるようになるという。