LED照明の可視光通信を使ってスマホが屋内測位してお買い得情報も
フィリップス、スーパーの売り場で目的の食材売り場まで誘導してくれるLED照明を開発
2014年02月19日 14時13分更新
オランダのロイヤル・フィリップスは2月17日、スーパーマーケットなど小売店向けに天井のLED照明を使い、店舗での正確な位置やお買い得情報などを提供するインテリジェント照明システムのサービスを開始すると発表した。
LED照明が位置情報と各種データを発信する可視光通信システムとなっていて、店内の顧客はそれぞれのスマホでアプリを起動すれば、スーパーマーケットの中でどこに何が置いてあるかがすぐに分かり、またお買い得情報などの情報を送信するというもの。ドイツで開催中の小売業向けのショーで技術デモンストレーションを行っているほか、実際の店舗で試験運用を行うという。
フィリップスによれば、スマホアプリで今晩のレシピを選べば必要な食材がスーパーのどこにあるかを順に表示し、またお客がさまざまな商品に近づくとアプリが新しい商品やそれを使った別のレシピを提案するといったことができるという。
WiFiなどの電波を利用した位置情報などの提供に比べて店舗側の設備投資が少ないのが利点としている。各LED照明からお客のスマホへは可視光通信としても、店側がどのような情報をLED照明に伝えるかというしくみはリリースに記述されていないが、フィリップスではスマホからワイヤレスで調光できるLED電球をすでに発売しており、同種の技術が用いられていると思われる。
アップルがiOS7で搭載したiBeacon(近接Bluetooth LE)を採用しているという報道もなされているが、リリースでは「可視光通信システム」としか記述されていないので詳細は不明。ただし、無線を使うことなくLED照明の点滅パターン(もちろん肉眼では判別できない)で情報を送信する可視光通信システムは国内でもパナソニックや日本電気が開発しており、試験的な運用が行われている。