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見たぞ!食ったぞ! JALのキッチン、機内食工場

2014年01月11日 12時00分更新

文● 藤山 哲人

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調理場なみに巨大な
食器洗い~ストック~セッティング作業室

 さて調理とともに平行して行われるのは、使い終わった食器の洗浄とストック、そして積み込み前の最終検査とセッティングだ。まず成田到着便から食事を終えたカート(CAさんが食事を取り出す車輪のついた箱)ごとJRCに届く。

 使用済みのお皿や食べ残しなどは、手で仕分けられ食器洗い機に入る。またカートは写真のようなラインに吊り下げられ、これまた専用の巨大食器洗い機にかけられるのだ。

飛行機から卸され、食事済みのお皿やトレイを分離、回収済みのカート

このラインに吊り下げられ、緑のカーテンが付いているカート洗浄機で洗われる

食器洗浄機はドイツ製のもので、洗う食器や汚れに応じて、一般用途、降圧洗浄、グラス専用、バルク用の4ラインある。廃熱用の煙突が4本あるので数えてみよう

一般用途の洗浄機で、乾いた食器の出口。見た感じだと奥行き10~15mといったところ

中身はこんなふうになっているということ。予備洗いして、洗剤つけて洗って、すすいで、乾燥してを一気にやってくれるらしい

食器のストック。見たことあるのもチラホラ。ちなみにJALの食器の一部は高級食器メーカーのノリタケを使っている。写真中では、半分ぐらいがノリタケのものだった

 食器洗いにもノウハウがあって、家庭用のモノ(だいたい60~70度)より高温の90度のお湯を使い、水道水ではなく超軟水を使っているという。日本の水道は軟水だが、マグネシウムやカルシウムは乾くと水滴痕が付いてしまうので、これらをフィルターで除去して超軟水にしているというのだ。

 さらに水滴痕が目立ってしまうグラスは、純水で洗うという。どうりでピカピカのわけだ。照明も他に比べると明るくしてあり、汚れの残っている食器を見分けやすくしているという。

 さてナイフやフォークなどの通称カトラリーは、ワンセットにシュリンクされたものが機内で出てくる。中には塩、コショーのセットやナフキン、爪楊枝がセットになってるヤツも。筆者はてっきり自動化されているのかと思ったら、これ実は人手でシュリンクしていた!

食器のセットアップ工程を行なう部屋。倉庫もかねているだけに、とにかく広い

洗い終えたカトラリーは、ごっちゃになっているので、それぞれに分けるとともに、曇りや傷がないかチェックする

溝にナイフとフォークとスプーン、それに爪楊枝をセット

下にロール状のシュリンクシートがあり、カトラリーを包み込んで3方を熱で溶着させる

エコノミークラスのカトラリーができあがり!

アッパークラスになると布製のナフキンにカトラリーを包んで、紙テープで固定

お正月に向けてか、JALのコーポレートカラーか不明だが紅白のお箸が入ったセットもあった

一度にグラス4個を掴み、ぐるぐる回しながら1個ずつを目視でチェック

 機内で使われる食器やグラスに1点の曇りもないのは、積み込み前の検査で目視チェックしているから。銀食器の場合は数ミリ程度のヘアラインのような傷でアウト、ステンレスの場合は一部に黒ずみがあればアウトだ。ロットアウト品は再び磨き上げるという。またグラスも1個1個を明るいランプの下で目視チェックしていたのが印象的だった。

 こうしてできあがったカトラリーや機内で使うバスケット、フキンや各種の容器類は便ごとにまとめられて専用カートに隙間なく並べられる。

機内サービスに必要なフキンやバスケット、飲み物の容器やボウルにザルなど。先ほどメイクしていたビジネスクラスのカトラリーも見える

こちらはビジネスクラス以上のお茶碗。JALでは機内で魚沼産コシヒカリの炊き立てご飯をサービスしているのだ!

各カートには搭載する便などの情報が書かれたメモが置かれている

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