予測3 EV車、HV車、PHV車の伸び、それに伴うノウハウの共有
トヨタが電気代70円で充電でき、40km走れるPHV(プラグイン・ハイブリッド車。ガソリンでは400km走行できる)を発売。米国のテスラモーターズも自動車界におけるApple社の地位をねらい、盛り上がりを見せています。最新のモデルでは、オーナーが近づくと出現するドアハンドルなど、ギミックも刺激的です。
スペック競争やシェア、出荷台数という、ある意味、業界内で牽制をしていたエネルギーを、ユーザーに還元しようとする動きが加速するのが2014年だと予想しています。
EVにしても、HV、PHVにしても、ガソリン車からの大きな変移を考えれば、「新しい道具の使い方」のノウハウがユーザー同士で熱く交換されるはずです。車のカタログに掲載されている燃費性能も、もはや誰も手放しで信用していないはず。運転のしかたによる燃費変化や、充電のノウハウなど、ユーザー自身がそんなデータをブログに投稿するだけでなく、自動で共有……なんて、アプリやサイトの登場もあるかもしれません。本来はメーカーがやるべきことかもしれませんが……。
2014年は、時間を含め、ユーザーのコスト意識がさらに高まる
キーワードは、「視線の向き」
今年話題になった事件、ドゲザ炎上ややらせ番組問題、食品偽装にしても、視線の向きが内向きだからとも言えるはず。企業はユーザーに目を向け、ユーザーは社会に目を向けないと、生き抜くことが益々難しい年になる。そんなふうに、2014年はなると思っています。
マスコミがスポンサーや自分の上司に視線が向いてしまったり、視聴率を含めて数字だけを意識してしまう。社会事件や炎上案件も、本来向けるべき視線がズレてしまっています。その結果、予測以上のダメージを受けてしまうパターンの繰り返しです。ラクして儲かるビジネスモデルを探したり、「カタログスペックと実際は違うから……」なんて言い訳をするのは、卒業するタイミングかもしれません。
文末ですが、読者の皆さまにとって2014年が素晴らしき年になるように願っております。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、ビジスパからメルマガ「Magical Marketing - ソシアルスキル養成講座 -」を配信中。
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