以前、中国で売られているニセiMac購入記を書いた。これには、筆者が所有する別のデスクトップPCの電源が入らなくなったからリプレースとして購入した、という理由もあった。だが、ホコリを被ったままではよくないと電源を交換することに。
中国でPC電源を交換するならば、せっかくだから中国のモノを使ってみたい。一方で携帯電話の電池が爆発したというニュースや、スマートフォン用外部バッテリーが爆発したというニュースなど、中国の電源やバッテリーでは爆発というリスキーなトラブルもついてくるのが悩ましい。
また、爆発しないまでも、気持ちばかりのオーバークロックにも耐えられなかったり、光学ドライブが書きこめなかったり、音質が劣化したり、ブルースクリーンが頻発したりといったトラブルに直面する。
中国のPC系ニュースサイトでも、モバイル向けバッテリーほど高頻度でないものの、電源爆発のニュースはしばしば報じられ、Q&A掲示板ではそれ以上に「電源が爆発した。どうしよう」という悩みが今もコンスタントに投稿されている。
地元民に見る電源を選ぶコツ
中国政府はこれを無視しているわけではなく、「3C認証」(China Compulsory Certification)という品質検査をパスしないと売れないようになっているのだが、それでも電源の爆発は絶えない。
爆発を回避するには「定番のメーカー」「一番低価格な機種は買わない」という地元民の自己防衛法に倣って、そこそこの値段の電源を買えばよいようだ。
昔からある定番どころの中国メーカーでは「航嘉」(Huntkey)「長城」(Great Wall)「金河田」(Golden Field)といったメーカーがよく知られている。航嘉の電源は過去に若干日本でも出回ったようなので、興味がある人はレビューを探してみてほしい。
また、PCを使いこなす世代(若者が中心)が結婚し、子供をさずかるようになり、PC電源から発する電磁波を意識するようになった(そのためこうした世代の間で日本の電磁波防止エプロンのニーズが高い)。
爆発しないだけでなく、電磁波が弱い「弱電磁波仕様」の電源を調べ、指名買いする動きもみられる。電磁波の少ない電源はどれなのか? という疑問に答え、著名メーカーのPC電源に対し、電磁波を測定するベンチマーク記事もある。もちろん日本同様、静音をうたった電源も数多く存在する。
メジャーどころで面白い電源があればいいと、筆者はPCを抱えて電脳街に向かった。
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