中国では内陸までAppleが人気で、Apple製品を扱うショップは繁華街でそこかしこで見られる。
家電量販店のPCやタブレットの売り場でもAppleのコーナーだけは人気で、カップルや親子が物色している姿や、清潔な服装をしていないどこにでもいそうな子供がiPadで遊ぶ姿が見られる。
“ニセiPhone”や“ニセiPad”がリリースされ、その後“ニセMacBook”が登場したが、ついにディスプレー一体型の“ニセiMac”まで登場した。「中国的有名税」ともいえるニセモノが登場したということは、ニセモノ業者は敏感にApple製品の人気上昇を感じているのかもしれない。
ニセiMacは、過去のニセApple製品がそうであったように、目立って売られてはいない。地元の誰もが知っている電脳街ではなく、出稼ぎ労働者が集まる地域にあるノンブランド(中国語で「山寨」。シャンジャイと発音)な携帯電話売り場や、ガラクタが多い中古市場など、場末感あふれる市場でさりげなく置かれている。
オンラインショッピングサイトの最大手「淘宝網」(Taobao)でも、純粋に(?)ニセiMacだけを販売している店もあるが、ホンモノのiMacを混ぜつつ、ローエンドと称してニセiMacを販売している店もあるのだ。
そうなのだ。多くの中国産ニセiMacに搭載されているCPUは、本家で未採用のPentiumだったり、Celeronだったり、Atomだったり、AMDのCPUだったりするのだ(一方でCore i7を採用するニセiMacもある。それはそれで熱対策などが不安ではある)。
だから、たとえば淘宝網のサイトで「iMac atom」と検索すれば、実売価格1万円台の「見た目iMac」のディスプレー一体型PCが、多くの店で売られていることが確認できる。
あまつさえ、多くの店が当たり前のように海賊版OSをサービスとしてインストールしてくれる。
Windows 8をサービスインストールし、タッチモニターで操作できることを売りにするニセiMacもある。つまり、本家にはなかったタッチパネル採用のニセiMacもあるわけだ。
ディスプレーは本家同様27インチから、本家にはないコンパクトな15.6インチまでバリエーションは豊か。つまり、それだけさまざまなサイズのiMacのガワが中国のニセモノ工場で生産されているということだ。
ガワはいくつもあるわけだが、大きさの違いでバリエーションを増やすだけでなく、カラーリングでもバリエーションを増やしている。すなわち「赤いニセiMac」なんてのも存在する。
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