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山谷剛史の「アジアIT小話」 第58回

バクハツのリスクも考慮して……中国でPC電源を交換する

2013年10月17日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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電脳街で見つけた「世界初の電源」!?

電脳街の主役はノートPCだが、自作PCも残る

電脳街の主役はノートPCだが、自作PCも残る

開き直って価格比較サイトの画面を出すPCショップ

開き直って価格比較サイトの画面を出すPCショップ

 壊れた電源を交換するためPCも持っていったのは、パーツを購入すればショップ側で作業を安価で交換してくれるためである。そのため電脳街ではPCを抱えて歩く人を結構みかける。

 現在、中国ではスマートフォンが普及しているが、まだ電脳街は生き残っている。電脳街では低コストを目指したショップブランドPCとは別に、アキバのPCショップのように、中国のPCショップもメーカー製ではできないハイスペックなショップブランドPCを提案し生き残りをかけようとしている。

 現地を見ても、電脳街絡みのニュースでも最近はそうした記事をしばしば見かけるようになった。以前はオンラインショップとの価格比較禁止という雰囲気があったが、もはやそれを受け入れているのかショップでも堂々とオンラインでの値段チェックを受け入れている。

金河田の「智能眼電源」の解説

金河田の「智能眼電源」の解説

金河田のショップ。世界初の電源をアピールしている

金河田のショップ。世界初の電源をアピールしている

 そんな電脳街のPCパーツ代理店が集まるフロアをぶらりとすると、PC電源メーカーで知られる金河田のショップで「世界初の技術」をうたう「智能眼電源」(スマートチェック電源というところか)なるモノを見つけた。

 「Eye Quiet Stable」チップを搭載したこの製品の背面には、赤黄緑のLEDライトがあり、現在のシステムでの電力消費が70%以下の場合は「緑」、71%~99%の場合は「黄色」、100%以上の場合は「赤」に光り、電源への負荷具合を教えてくれる。

 イチからPCを組む際のチェック以外にも、オーバークロックしたりパーツ交換したときに電力は充分なのかというのにも使えそうだ。値段は従来製品より気持ち高く、230W版が160元(約2600円)、270Wが190元(3000円強)、350Wが230元(約3700円)というのが相場だ。

組み立て後、緑色のLEDライトが点灯

組み立て後、緑色のLEDライトが点灯

 中国の商習慣では最初に開けて試すことができるので、店側に購入を約束したのち、パッケージを開封し各製品をつないでみて、緑ランプがついた230W版を購入した。

延長ケーブルなども購入して
向かうは別のPCショップ!?

延長ケーブル&電源ボタンの最大手「諾科」

延長ケーブル&電源ボタンの最大手「諾科」

オンラインショッピングサイト「淘宝網」にもさまざまな延長ケーブル&電源ボタンが売られている

オンラインショッピングサイト「淘宝網」にもさまざまな延長ケーブル&電源ボタンが売られている

 もうひとつ面白いものを発見した。机の上などで電源のオン/オフが可能となる「延長ケーブル&電源ボタン」だ。これまた一時期若干アキバや通販などで流通してたようだが、こちらは人気ですぐに売り切れたらしい。

 中国ではネットカフェ用として、この手の製品が複数のメーカーから発売されている。値段は20元~50元(320~800円)程度とリーズナブル。金河田からリリースされているので、こちらも一緒に購入。複数買うので地元民に倣い、数十元程度だが値引きもしっかりと。

組み立てをお願いしたショップでは「尖閣は中国のもの」シールが貼られたバインダーと、NARUTOの海賊版ゲームが無造作に置かれていた。とはいえ日本人の筆者にも店員はフレンドリー。ご安心あれ

組み立てをお願いしたショップでは「尖閣は中国のもの」シールが貼られたバインダーと、NARUTOの海賊版ゲームが無造作に置かれていた。とはいえ日本人の筆者にも店員はフレンドリー。ご安心あれ

ショップで組んでもらう間、ショップ店員と世間話もできる

ショップで組んでもらう間、ショップ店員と世間話もできる

 かくして購入した製品は、持ってきたPCと購入した電源と延長ケーブルとともに別のPCショップに運び、そのPCショップの店員が時間をかけて交換してくれた。これも中国(サービス)クオリティー。サービスを享受せずとも、日本未発売のこれらの電源関連製品、興味があれば買い出しに行ってみてはいかがだろうか。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。

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