またもやチップセット黒歴史をお休みし、今回はNVIDIAのロードマップアップデートをお伝えしよう。
製品ラインナップは
ダイの歩留まりで決まる
連載191回で紹介した通り、NVIDIAはGK110コアをGPGPU向けの「Tesla」だけでなく、GPU向けにも「GeForce GTX Titan」としてリリースした。
551mm2というダイサイズの製品をいくらで売るつもりだろうと思ったら、現在「GeForce GTX Titan」は12万円台で推移しており、これならばそれほど悪いビジネスではないと思われる。
もっとも、同じGK110コアを利用する「Tesla K20X」の価格はというと、米国のamazon.comで5GBのものが約3000ドル(関連リンク)、6GBのものが約3800ドル(関連リンク)。大雑把に1ドル100円とすると、それぞれ30万円と38万円になる。
Teslaに比べると「GeForce GTX Titan」はやや利益率が悪いようにも思えるが、Teslaは利益率が高い代わりにそう多くの数量が売れるわけではない。したがって、製造が追いついている限りはやや薄利であっても数を売りさばくことで稼げるため、方向性としては間違っていないだろう。
そのTeslaも、14 SMXの「Tesla K20X」と13 SMXの「Tesla K20」がある。もともとGK100はSMXが15個存在しており、ただし歩留まり向上のために冗長SMXを1つないし2つ用意することで、コアの歩留まりを上げようという配慮である。
「GeForce GTX Titan」は14 SMXの構成であり、これだけだと十分に歩留まりを上げるにはやや厳しいため、もう少しSMXを減らした構成のGeForceが投入されるのはほぼ必然である。これが5月23日に投入された、「GeForce GTX 780」である。
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