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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第226回

GTX 780 Tiの次は? ロードマップでMaxwellの投入時期を予想 

2013年10月28日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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GeForce GTX 780 Ti

 連載224回でAMDのGPUアップデートをしたので、NVIDIAについてもアップデートしておきたい。前回から大きく異なるわけではないが、細かい部分のアップデートを行なったので説明していきたい。

2012~2014年のNVIDIAロードマップ

低消費電力と低価格化に努めた
Kepler 1.0~2.0世代

 まずKepler 1.0世代のアップデートだ。前回のロードマップでは省いたが、2013年4月にはOEM向けに「GeForce GTX 645」をリリースしている。ややわかりにくいが、NVIDIAはGF114ベースの「GeForce GT 645」を2012年にリリースしており、これの上位製品という扱いになるわけだ。

GeForce GTX 645

 構成的には「GeForce GTX 650 Ti」のさらにサブセットといった感じだが、微妙なのはリテール向けの「GeForce GTX 650」よりも潜在的には性能が上(GK106コアベース)ということで、性能差別化のためにか動作周波数を落としたり、メモリーの速度を4Gbpsにしたりということで辻褄を合わせている印象だ。

 テストをしたわけではないが、この2製品はベンチマークをするとかなり互角になりそうな印象である。おそらく解像度を上げるとGTX 650が、解像度が低めだとGTX 645が有利といった傾向がでるのではないかと想像される。

 Kepler 2.0世代といいながら、扱い的にはまだKepler 1.0世代に属しているのがGK208コアのOEM向け製品である。GK208はGK107の後継にあたるものだが、それでも分類はKepler 1.0らしい。実際型番も700番台ではなく600番台であるが、それでも一応2013年に入ってから投入された新コアということで、図ではKepler 2.0の方に入れてある。

 シェーダー類の構成はどちらも最大384 CUDAコア(2 SMX)のもので、動作周波数も似たようなものなので、メモリーの構成が同じならば性能はほぼ同じはずである。実際は微妙に構成が違うので同一基準では評価しにくいのだが。

 GK208は、特に新機能が搭載されたわけではない。ではなにが違うかというと、消費電力である。例えばGK107ベースの「GeForce GT 630」のTDPが50Wなのに対し、GK208ベースの「GeForce GT 630」は25Wと半減している。ただこれは純粋にコアのみの違いではなく、メモリー構成も一緒に変化しているのでそう単純ではない。

 このGK208世代は、性能の落とし方がこれまでと異なるのも特徴である。GK107ベースの「GeForce GT 640」と「GeForce GT 630」を比較した場合、シェーダーを半減(1SMのみ有効)にして、動作周波数はむしろ引き上げてバランスを取るという、描画性能そのものの調整を行なう方法だった。

 ところがGK208ベースのGeForce GT 630/635/640の場合、シェーダーの構成はいずれも同じ2SMで、その代わりにメモリー帯域を64bit化し、さらに速度を落とすと形で性能調整を行なっている。

ZOTAC製「GT 640 2GB 64bit DDR5」。GK208ベースのGeForce GT 640採用で、消費電力が低減した

 この結果として、最終的なフィルレートそのものはメモリーがボトルネックとなって従来と変わらない描画性能になるが、シェーダーをフルに使うような凝った3D画面でも性能が落ちづらくなる、という傾向になるようだ。

 もっとも逆に言えば、3Dゲームで描画オプションを低品質に振ってもさして性能が上がらないという意味でもあるが、最近はこうしたローエンドGPUカードが利用されるようなゲームであっても描画品質への要求が高まったことから、性能調整の方向性を変えてきたものと思われる。

 OEM向けということでは、今年10月に2製品が追加された。まずは「GeForce GTX 760 192bit」で、これは「GeForce GTX 760」のサブセットという位置付けであるが、利用されているダイはKepler 2.0のGK104-A2ではなく、Kepler 1.0のGK104のようだ。

GeForce GTX 760 192bit

 動作周波数を若干下げるとともに、メモリーバスを名前の通り192bit幅に制限したもので、これは大解像度で描画性能が下がることになるだろう。これは、OEM向けの2K程度の画面サイズに対応する用途であればそれほと大きな性能劣化はなく、その割に価格が安く抑えられるとの目算ではないかと考えられる。

 「GeForce GTX 760 192bit」とほぼ同じタイミングで投入されたのが「GeForce GTX 760 Ti」だが、こちらもコアそのものはKepler 1.0のGK104である。構成的にはほとんどGeForce GTX 680そのまんまといったあたりで、若干動作周波数が下がった程度。なので事実上GeForce GTX 680のリナンバリングになる。

GeForce GTX 760 Ti

 リテール向けはGDDR5 7Gbpsを搭載した「GeForce GTX 770」が投入されているため、GDDR5 6Gbpsのままの「GeForce GTX 760 Ti」は性能面での差別化がきちんとできているとも言える。

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